性別を超えた、恋愛というものの哀しさ。
ダビデ像のようなニコラが男だろうが女だろうが翻弄し、夢中にさせてしまう。
相手は懸命でも、ニコラは冷めており、だからこそ相手はよけいに好きになる。
監督自らが演じる主人公が、せつなく哀しい。
今でこそ、ゲイパレードがニュースになり、ゲイカルチャーも理解されているが、この頃はまだまだ壁が厚かっただろう。
性にとらわれない恋愛。のちに『わたしはロランス』で深められたテーマが瑞々しく描かれている。
当時21歳の監督に、こういう映画を作らせてくれるカナダの偉さも感じた。