乙郎さん

オーソン・ウェルズの フェイクの乙郎さんのレビュー・感想・評価

4.0
観ていて変な動悸が止まらなかった。ゴダールかDJかという編集が、音が、映像が気持ち良ければ良いほど、本当に信じてよいのかという疑念に引き裂かれる。それでもステップは止められない。
ありとあらゆる素材のカットアップが芸術的であればあるほど、果たしてそれは本当にやっていいことなのかという思いが頭をもたげる。増してや、ウェルズは自身すら素材にする。情報の洪水に流された先には何もない。
ハワード・ヒューズ繋がりで、スコセッシの『アビエイター』はおそらくこの映画に影響を受けてるのだけれど、それでも見ていて不安になる感じはなかった。この映画はあまりにも得体の知れなく、意地が悪い。衝撃的傑作。
乙郎さん

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