このレビューはネタバレを含みます
高校生イザベルは17歳の夏のバカンスを過ごした後、売春を始める。若さと美しさを無防備に差し出し、自分自身の存在価値を確認するかのようにそれにのめりこんでゆく。しかし親にばれてしまい、売春の理由を聞かれるが、彼女は決してそれを明かさない。
だんだんとイザベルから魔性のようなものが感じられてきて、それが少し恐ろしかった。今や彼女はイザベルとレアの危うい境界線にいる。これからどちらに転ぶのか全くわからず、それは我々の想像力に任されている。この不安定さは、まさにオゾン流。でもラスト、ジョルジュの妻(シャーロット・ランプリング)が圧倒的な存在感を持って現れたことで、少し方向が見えた気がする。