円柱野郎

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルは説明過多な気がするが、表面的にはその通りか。
ただやはり「かつて住んだネブラスカ」という感じの、"故郷"という事が主題だよね。
息子はその父の故郷で、彼を知る古い知り合いから話を聞くことで改めて父という存在を見直していくわけだ。
殊更に感動をあおるわけでもなく、淡々と流れる時間。父への想いにしても、説明台詞がなくても伝わる空気というか、表情や間の使い方が上手い。

周囲の人々が賞金にたかろうとするのは"さもありなん"といった状況だけど、人の良い父との対比構造としての配置だと思っていた。
父は何も言わないけれど、気の強い母親が一喝する場面や、息子の無言の一撃が代弁してるし。
でも最後はそれだけでもなかったんだよね。

結果としてはやはり賞金は出なかった。
でもそこからがこの映画を清々しくさせてくれる。
父の気持ちを慮る主人公の気持ち…運転を代ってから町を通りエンディングへ向かう一連の流れが良いなあ。
町の人々の視線に、良くも悪くも父の人生が凝縮された瞬間があって、じんわりと心に来ました。
円柱野郎

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