そのじつ

孔子の教えのそのじつのレビュー・感想・評価

孔子の教え(2009年製作の映画)
3.6
タイトルの固さに反して、なかなかの大スペクタクルな見せ場の数々に、娯楽の勘所しっかりと押して貰いました。特に夾谷の会談がカッコイイ。ロードオブザリングみたいでしたわ(^^)。

衣装の粗い布目と分厚さ、藍色の深さにトキメき、子路の胴の分厚さにもトキメき、…萌えなポイントが沢山。
ユンファの孔子は偉人という以前に、理想に燃えるひとであり、弟子を愛する師であり、人生の艱難辛苦に耐える人間でありました。私達と同じく悩み苦しむ孔子の姿に背中をポンと叩いてもらった気持です。

随所に出てくる竹簡と古い書体の漢字にも心奪われました。
ただ魯の定公と袂を分かつ原因となった顛末や南子の孔子への執心の理由が今ひとつ分からなかった。己の勉強不足でもありますが。

オイシイ見所が多過ぎる素材なので、2時間の映画では短過ぎる!連続ドラマにして欲しいです。

費城の処遇をめぐって魯の政治家・王と対立してしまう部分は、孔子は何者だったのかにかかってくる重要な部分だった。
革命を成そうとした孔子の、ひたすら真っ直ぐに道を貫き通そうとする姿が切なく感じる。
南子も同じく、女性が政を行うという当時の社会に認められぬ道を成そうとする革命家として、孔子と志を同じうしたと心を寄せたのかも。少なくとも監督はそのように描いたと思う。(白川静と梅原猛の対談集「呪の思想」読後の感想)
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