グラビティボルト

冬冬の夏休みのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
4.0
自然に取っているように見えて、
「このシーンは、このアングル以外あり得ない」と言わんばかりの精密なカメラ、役者の動作のタイミングがヤバい。
階段の一番下から撮った電話のシーンや、田園地帯を捉えたショットが特に凄い。
あと、誰の人生にもあり得る夏休みをハートフルに撮っているように見えて、
母親の病気を巡る諸々や、電車に牽かれそうになる妹、木からの落下、ある女性の身の上と避妊手術など実は人命に関わる不穏な要素がちりばめられていて、
最終的には「ひょっとしたら死んでいたかもしれない夏を無事通過出来た安心感」も残る不思議な映画。
その癖二階ではしゃぐ冬冬をお爺ちゃんが怒鳴り付けるシーンや、妹ちゃんが服を河に流して裸に葉っぱ巻いて帰宅するシーンなど微笑ましい細部も充実している。
ホウ・シャウシェン、無敵か。