このレビューはネタバレを含みます
X-MENシリーズは、押並べてシリーズ構成がしっかりしており、本作も「人種差別問題への提言」というテーマは変わらない。
そしてミュータントの殲滅をどのように防ぐかが見せ場となる物語を中心に、ベトナム戦争という実際の国際問題とも絡み合い、物語に現実感と深みを持たせている。
登場人物たちも、やはり内面まで細かく描かれており、各キャラクターに感情移入し易い作りとなっている。特にミスティークにはヤラレルこと間違いなし。『ファーストジェネレーション(FG)』の同志たちがあんな結末を迎えていたら、そりゃ誰だって半狂乱になるよな。
ただ、今回はマグニートーがどちらかというと悪役を担ってしまい、明確に善悪を描かないX-MENシリーズには珍しく、彼に対する反感を持たせていまっているのが不満点。
また、複数の時間軸の物語が同時進行で進む物語は、『インセプション』的でもあり面白いのだが、過去と未来が一本の時間軸でつながっていて矛盾点もあり、今一つ納得できない展開になっているのが残念。
...ではあるが、観終わった後に内容について誰かと話したくなること間違いなし。
あと、ラストの彼女と彼の登場はシリーズのファンにとってはうれしい限りだ。そしてエンドロール後の映像も観ておかねば。
十分面白い映画であった。
2016/07/17