バナバナ

円卓 こっこ、ひと夏のイマジンのバナバナのレビュー・感想・評価

3.5
大阪南部の下町が舞台かなと思ったが、太陽の塔が背景に見えていたので、大阪北部の吹田周辺が舞台(撮影場所)になっていた。

私の子供の頃も、大阪なので在日の人が普通にクラスメイトで居たが、みんな苗字も日本名にしていて、取り立てて自分は在日だなどという話はした事はなかった。
親たちは漢字から、朝鮮系の人だと分かっていたみたいだが、もう二世、三世の世代で関西弁バリバリだし、在日の人だからどうの…というのは学校やPTA関係では無かったと思う(私の通っていた学校では)。

主人公のコッコは小学3年生で好奇心旺盛な子供だ。
始めて聞いた耳慣れない言葉をノートに書き留めるのを趣味にしている。
同級生には吃音の子もいるし、ベトナムからの難民でボートピープルの子供もいるし、在日の子供もいる。
コッコにとっては、彼らは自分とは違うところを持っているので“憧れ”の対象になる。
コッコは無邪気に彼らの真似をしてしまう。

同級生の友達の中には、コッコが悪気がなく真似をしているのは分かっているが、相手によっては、それは不快に思われるかもよと、もう分かっている子もいる。
コッコの祖父もimagine=相手の気持ちを想像することが大切だと諭してくれるが、コッコにはまだイマイチ分からない。
しかし、コッコにも夏休みにある出来事が起こり、秘密が出来てしまった事によって、今までよりは相手の気持ちを思いやれるように成長するのだった…というストーリーです。

コッコの成長ぶりがもっと分かるように、後半のよく学校を休む同級生のパートを、もっと深くやった方がよかったと思います。
芦田愛菜ちゃんは勝気だけど素直な女の子を上手に演じていましたが、もう少しラストに向かって物語にカタルシスが欲しかったなと思いました。
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