とり

イコライザーのとりのレビュー・感想・評価

イコライザー(2014年製作の映画)
4.3
かなり面白くて見応えがありました。
トニー・スコットを思わせるアート系映像の雰囲気も良かった。ミュージックビデオ風なのでバイオレンスのエグ味が緩和。
カットの切り替えも緩急のセンスの良さが光ります。

お話自体はオーソドックスで昔から人々に愛されてきた腐敗した巨悪を懲らしめる系なので、そこには大義があり敵がやられるとスカッとします。
これはデンゼル・ワシントンの仕事人シリーズですね~。
この主人公キャラクターがとても魅力的に仕上がっているのもスカッとできる要因の一つ。
地味だけど実直なホームセンター店員が実は有り得ないくらい強い。しかも何やら悲しい十字架を背負ってるらしい。そんな彼が一人でコツコツと悪を裁いていくところに最高のカタルシスが得られます。
殺しのタイムアタックをしてたりご臨終の間静かに傍で眺めていたり、哀愁とか虚無感とかすごいです。
デンゼルの演技力でしょうか、ドアップ時の瞳のなんとも言えなさ。

いくつかの小さめの殺しの積み重ねの演出も上手いです。彼の仕事人ぶりを何度かにわけて見せることで、単なる暗殺マシンではないことに説得力が増します。
しかもそれぞれの案件がちゃんと面白い。地の利を活かしたり身近なものを使ったり。
ちょーっとデンゼル強すぎないか?と思わなくもないです。致命的なピンチシーンもないし。終盤にそれっぽいシーンはあったけど、根性で切り抜けられると思ってしまうレベル。
圧倒的に強い主人公が今のトレンドなんでしょうね。世相を反映してるところも映画の良いところ。
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