T太郎

イコライザーのT太郎のレビュー・感想・評価

イコライザー(2014年製作の映画)
3.8
1032
再鑑賞
以前観て、面白かった印象があったので、今回再び手に取った次第である。
やはり面白かった。

デンゼル・ワシントン主演の痛快アクション映画だ。
とにかくデンゼル演じるロバートがカッコいい。
心優しき無敵の男なのである。

ロバートはホームセンターの社員だ。
一人暮らしで、つましい生活ぶりがうかがえる。
毎日、電車とバスを乗り継いで、家と職場を往復しているのだ。
人当たりが良く、穏やかな性格だ。
人望も篤そうである。

彼は仕事終わりに、近所の喫茶店で読書をする。
おコーヒーをいただきながら。
決まった席で、多分決まった時間に。

そこでロバートは、アリーナという少女と出会う。
どうやら彼女は娼婦らしい。

特段親しくなる訳ではない。
毎回、二言三言話をして別れるだけだ。

ある日、ロバートはアリーナが大ケガで入院した事を知る。
元締めであるロシアンマフィアの暴力により、半死半生の憂き目に遭ったのだ。

歌が好きだというアリーナ。
この世界から抜け出したいと願いながらも、かなわぬ夢だと諦めている。
稼ぐだけ稼がせて、ぼろ雑巾のように捨てられる運命にあるのだ。

ここからロバートの八面六臂の大活躍が始まる。
奴らは合衆国の政界にまで食い込んでいるという。
当局も手が出せないというなら、自分がやってやる。
という訳だ。

なぜそんな事をと聞かれた時、彼は穏やかに言うのだ。
「誰かが許しがたい仕打ちを受けている時、自分なら何かをしてやれるからだ」

彼は元CIAの凄腕エージェントか何かだったらしい。
頭脳戦と肉弾戦で、次々と悪漢どもを倒してゆくのである。

一つ特徴的な事がある。
ロバートは銃と車を一切使わないのだ。
したがって、銃撃戦やカーチェイスといった、アクション映画必須のシーンがないのである。
銃をぶっ放すのは、ひたすら悪者どもだけなのだ。

それでも、このような滅法面白いアクション映画ができるのである。

私は一時、「ワイルド・スピードシリーズ」を集中的に観た時期がある。
それと前後して「TAXiシリーズ」や「トランスポーターシリーズ」も観ていた。

どのシリーズも面白かった事は事実であるが、その反面カーアクションに食傷気味だった時代が、私にはあるのだ。

少年時代→青年時代→カーアクション食傷気味時代→中年激シブ時代、という時代区分が、私に関しては成り立つのである。

その時代の残滓がわずかながら残る私には、この作品はちょうど良かったのかもしれない。

もう一つ特徴を挙げるとすれば、ロバートの優しさである。
市井の人々に向ける彼の眼差しは非常に優しい。
ただカッコいいだけのアクションヒーローではないのだ。

これは私も大いに見習いたいところである。
今のところ、私が優しいのは女性に対してのみだが、仕方ないので、明日からは男どもにも優しくしてやろう。

以上!
T太郎

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