Kou

オール・ユー・ニード・イズ・キルのKouのレビュー・感想・評価

4.0
【ライトノベル史上初のハリウッド映画化作品】


実は、タイムトラベルものは数あれど、タイム“ループ”ものって意外と数が少ないんですよね。
その上原作はなんと日本発。
案外、レアな作品ですよね。



観た率直な感想としては、
「すごいおもろ楽しい」作品。
・・・中学生の感想かな?
でも、本当にそんな感じなんです。



主人公は、手を紙で切っただけで失神そうになるほどの腰抜け男。そして、そんな腰抜けをあのトム・クルーズが演じているんです。
他作品ではまず観られない『情けないトム』
それが新鮮で超面白い。



そんな彼は戦場に出てたった5分で戦死し、
あることからループが始まるわけですが、
「同じ日を違った視点から見る」
というのがまあ面白いんですよね。

同じ台詞でもちょっと違う意味に聞こえたり、違う未来へ向かうために違う行動をしたり。
ループものの醍醐味ですよね。



それでいて全然コミカル、
というよりコメディなんですよね。

戦闘機に潰されるわ、車にひかれるわ、バッテリー取られて死ぬわ、と死に方は様々。
しかしそんな死を、面白おかしく描いているので全然重くなく観られるんですよ。



『ジャンパー』っていう映画あるじゃないですか。
瞬間移動できる能力を突如授かった青年が戦いに巻き込まれていくっていう作品なんですけど、なんていうか、あれを観ていた時と一緒。

心の奥底に閉まっておいたはずの
『中学2年生の自分』が表に出てくるんですよね。



突如能力に目覚めて、
戦いに巻き込まれて、
最後、ヒロインと恋に落ちる。
男なら一度はそんな妄想しませんか?

そんなガキの妄想を、妄想の域を超えた、面白く綿密なストーリーとともにもう一度。
それだけでもう、楽しいに決まってますよね。



皆さんも、「ちょっと痛々しい妄想をしていたあの頃の自分」を引っ張り出して観てみて下さい。
きっと、楽しめますよ。

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なんか『ジャンパー』っぽいなと
思ったら監督一緒でしたね。

「映画を観て、その監督の他作品が分かる」
自分もついにそういう域に来たのかと、
ちょっとニヤニヤしましたね(完全にまぐれ)



2018年2月7日 24本目
Kou

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