くろねこヤマ子

イーダのくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
3.9
モノクロの
フォトジェニックな画面は、
歴代のポ映画監督たちのそれを
脈々と受け継いでいる感じ。
音楽がお洒落なのも。

黒目がちのマリアことイーダ。
彼女の瞳の強さは
モノクロームにとても合う。
気持ちの濁りも晴れも
目は口程に物を言う感じが
白黒の世界で映える。

1962年、出自を知らず
修道院で育った少女が、
キャリア有りのヤサグレた叔母と
両親の墓を探すところから始まる
ロードムービー。

ユダヤ迫害などポーランドの歴史背景、
そして無垢な少女が心を持ち、
大人へと変わっていく姿を描く。
闇と死と生を見せてくれる良作。

スタンダードサイズ。
凡そのカットを固定で魅せ、ラストに揺らぎ。

重心の持って行き方が分かり易い。
大事なことは左右に振って魅せる監督。

彼女のその先はどこにあるのか。
終わり方が好き。
鑑賞後を他者と共有したくなる作品は
いいなって思う。