あもすけ

チョコレートドーナツのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

自分と違う他人、というのでいえば二人の支え合う姿にもそれがあった。同じところに向かっていてもお互いが出来ることと出来ないことがあって、思うようにいかないもどかしさを相手に見るのもあれば、悔しく噛み締める横でまだ前を向いてくれていたり、感情を抑える気持ちも、抑えきれない姿も、尊敬と愛がそこにあって寄り添い闘っていた。この映画と今にどれくらいの変化があったとして、その僅かなひとつにもこんなにやるせない想いが幾重にも積み上げられていることを想い続ける。そして底知れぬ悲しみと怒りを表すものが歌と手紙であることも忘れない。偏見がなくなるってどういうことなのか、それは偏見を偏見と気づくこと、自分の心に映る偏見の姿から目を逸らさないこと、そしてそれとどう向き合うのかっていう自分の内に依るものが大きくて、だから観ながら自分が画面越しに刃を向けていたひとりひとりに実際に向けられたのが手紙であるのも、それを読んだひとりひとりの表情も、観る私に届けられたのが歌であることも、全部が意志だった。
あもすけ

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