さうすぽー

プリズナーズのさうすぽーのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.1
自己満足点 80点

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品、一挙レビュー第2段。


娘を誘拐された父親や警察が娘を救うために奔走する話なのに、タイトルが「Prisoners=囚人たち」。

子供を誘拐する残忍な犯罪者も罪を犯した囚人であり、娘を救うために次第に暴走していく父親もまた罪を犯してしまうという所からこのタイトルが付けられたのでしょう。


「灼熱の魂」でもそうでしたが、キリスト教の要素が非常に強いです。
そこが所見では解りづらい所でもありましたが、解説を読んだりすると「なるほど」と思ったりもします。

また、演技が非常に秀逸です!
特に被害者の父親を演じた主演のヒュー・ジャックマンは本当に素晴らしい!
彼の一番の演技と言われると世間ではX-MENの「ウルヴァリン」と言われがちですが、自分はこのプリズナーズであると確信しています。
ヒュー・ジャックマンは好きな俳優なのですが、個人的に演技面では良くも悪くもヒュー・ジャックマンと思ったりも。
しかし、今作は良い意味でヒュー・ジャックマンらしさが失われてるので、何度も彼であることを忘れてしますし、何度も心動かされました。

警察官ロキを演じたジェイク・ジレンホールも警察官としての雰囲気や彼なりの葛藤や行動が凄く自然に出ていた気がします。


この映画、色々と伏線を張っていながらも展開が読めないスリリングでドラマチックなストーリーに目が離せないです。
特に犯人が解る場面では、犯人の変わり様が非常に怖かったです。
また、かなり伏線やシンボルが出てくるので、所見では読解しづらい部分もありますが、2回目観ると理解できる所もありました。

この映画は好きです。大好きなのですが...この映画に関しては大好きなドゥニ・ヴィルヌーヴ作品群の中では思い入れが強い方では無いです。
というのも、自分がクリスチャンで無かったりキリスト教に関わる機会が全く無かった事もあって、キリスト教の要素が出てきて「知的な脚本」と思いつつも、そこまでピンと来ませんでした。
多分自分は宗教に関してさほど興味を持てないのかもしれません(^_^;)

ただ、面白くてドラマ性のある映画なので150分以上あっても全然退屈することなく楽しめる映画だと思います。
特に、家族が誘拐される話なのでキリスト教の知識が無くても他人事では無い恐ろしさがありますし、共感出来るところも多い気がします。

ちなみに、とある爬虫類の動物がいきなり出てきた時に体ごと「ビクッ!」てなった人は僕だけでないはず(笑)