れれれざうるす

シンプル・シモンのれれれざうるすのネタバレレビュー・内容・結末

シンプル・シモン(2010年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

もっと観せてくれ!あと1分だけでもいいからぁ!てなるほどずっと観ときたい映画。
わたくし職場でアスペルガーの人と揉めたので他の人よりアスペには937倍詳しいし937倍嫌な思い出があるんですけど、シモンがイケメンな分余裕でした(結局そこ)。
アスペは人の顔色を伺えないわ皮肉は通じないわ自分は間違ってないと言い切るわ…素直すぎて迷惑、そして精神病や病気ではなく自閉症の一種なんだけど、その辺の描写がかなり細かくてアスペに詳しい人の方があと937倍は楽しめると思います。
基本的にアスペルガーの人は自覚が一切ないけど、自覚したときが厄介なんです。そうですシモンのように。アスペであることを良いことに「アスペなんだから大目に見てくれない??」みたいなクソウザイ態度へと変貌してしまいます。シモンが何度も言ってたのはこれですね。自覚させるまでが大変だったろうなぁ。わりと頭は良いのにコミュ力や対人能力に欠けてるんですが、それにカッチリ当てはまるシモンが大好きな兄のために「それは違うよ!」な彼女探しをしてくれます。(かわいいけどやめてくれ!)
北欧雑貨のようなカラフルで可愛い映画だけど、それよりもシモンが自分から少しでも変わろうとしてる姿に私は感銘を受けた…!!アスペは独自の順番や時間のリズムが崩れるとやってられないどころかパニックに陥る程の人もいるので(兄が出ていくシーンなんて正にそれ)、それを厭わず他人の顔色を伺いながら彼女探しをするのはものすごく苦行だったはず。更には一度拒否されてしまうとその原因を考えずに「なぜか嫌われてる!!怖い!!」となるのでなるべく関わらないように自己防衛してしまいます。そんなシモンが同じ女性に、“兄の為”に交渉する姿は泣ける…。ちなみに他人の分析能力に関しては人一倍長けてるので、サプライズ企画で上手いこと適役見つけて成功出来たのはこの為だと思われます。(結局自分でぶっ壊してたけど)

イェニファーが自由奔放天真爛漫な毒のない素敵な女で、シモンとの掛け合いが可愛くて可愛くて!!ね!!いや普通に酷い扱いされてるけど!!なんか私の毒々しいいろんな感情が一気に浄化されたよね!!
すごく簡単でシンプルなことが伝わらない。というのはまたまたアスペあるあるだけど、シモンも至ってシンプルな気持ち。伝えたいことが近くて遠い。そんな繊細な部分がすごく良かった。
最後の最後でのたった数十秒のシーンだけで、兄離れ、アスペ特有の表情の貧しさ克服、恋の予感、を感じさせてキュンキュンして最高に気持ちの良い余韻に浸れてニヤニヤが止まらない!!!あーーかわいかったーー!!!!この映画食べたーーい!!!!
あ、でも兄役の人の方が好みです♡(どうでもいい)