もうひとつの、ハリウッドとは異なるアメリカ映画。ハッピーエンドとは対局のリアリズム。
山岳地帯に住む移民=「ヒルビリー」社会と、ファーナス=「溶鉱炉」が停止になる厳しい社会背景、その結果の貧困層が兵役に出ることなど、説明はないがじゅうぶんに意識して作られている。
そして、兵役の結果がさらなる悲劇を生む現実を描いている。爽快な復讐劇ではなく、カタルシスを廃したドラマにしたところにプロデューサーにも名を連ねたディカプリオやリドリー=スコットらの意図を感じられる。脱出不能の現実世界。
思い出すにつけ、いろんなことに気づかされる。
銃社会にも考えさせられた。なければ、こんなことにはならなかったのに。
万人受けはしないだろうが、凄い映画だ。