がんちゃん

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊のがんちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
「キャプテン・ジャック・スパロウ」という映画史に残るキャラクターを発明した1作目を境にマンネリ化していき、遂に4作目では批評家のみならずファンですら駄作と言わざるを得ない状況に追い込まれたシリーズ(といっても儲かってはいるのだが)の5作目。
結論から言うと「新鮮さは皆無だが夏恒例のお祭り娯楽大作に堂々凱旋」→要するにワッショイ!という感想。

本作のジャックは船もクルーも失い、懸賞金も「綿あめ大好きチョッパー」以下に落ちぶれているというメタな展開から始まる。
しかし新キャラの若い2人に触発され、プライドを捨てて(?)ボロ船で再び海に出る船長の姿に原点回帰への意欲を感じた。なんせ4作目は完全に丘パイレーツだったからな…。
船名の「瀕死のカモメ号」は欧州のベストセラー小説をもじったのだろうか、海賊の卵たちに航海の仕方を教えようというメッセージかもしれない。
本作のジャックの役割は「若者を冒険へ誘う」という1点のみで、それ以外は終始コメディリリーフに徹する。ジャックの隠れた魅力である「行き当たりばったり風に見せかけて実は全て計算だったかも?」と思わせるドヤ演出がもっとあっても良かったのではないか。次回作こそは主役としてカムバックして欲しい。

しかし本作では「あなたにとっての宝物は何?」という普遍性の高いテーマが描かれており、要所でグッときた方も多いのではないだろうか。ウィルの息子にとっては「父」が、ジャックにとっては「キャプテンとしての名誉」である。バルボッサにとっては…(ネタバレ)
今どき本当に宝探しするやつなどいないので、こういう普遍性があると共感しやすくなる。ちなみにワンピースでは「仲間」だし、バンプオブチキンなら「どこまでも胡散臭くて安っぽい宝の地図」でもそれ自体が宝物だよな笑

シリーズ初の4DX上映かつ「水量200%のずぶ濡れ仕様」となっており、海洋アクション大作と抜群に相性が良く、結論としては「本編3点+4DX効果1点」で十分に満足。特に大塚明夫吹替とゴーストシャークは俺たち午後ロード好きにはたまらんね。あまりに濡らしてくるので3Dメガネが水没。本当に海中にいるようでした笑
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