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女子ーズのdm10foreverのレビュー・感想・評価

女子ーズ(2014年製作の映画)
3.5
【地球の為に戦ってんだよ!悪いか?!】

最近「ダンケルク」や「三度目の殺人」等々、やや知力体力を使い果たす映画を多く鑑賞しているからか、若干脳のキャパをクリーニングする必要があり、軽い映画が観たいと探しておりました。
言うなれば「フランス料理や和懐石のフルコースを1ヶ月食べ続けたから、久しぶりにカップヌードルが食べたくなった」みたいな感じ?失礼(笑)。

で、前々からタイトルは気になってたんです。

「女子―ズ」て。

一応桐谷美玲が出ていることも知っていましたが、どんな映画なのかもリサーチすらせず、当然レンタルで借りることもなく、このままこの子とは縁のないまま終わるのかと思われましたが・・・。

戦隊モノといえば、やっぱり「ゴレンジャー」ですよね(古い?)。
で、そこで後世まで脈々と続く一つのプロットが出来上がります。

赤=正義感が強い熱血漢。考えるより行動するタイプの、いわばチームの推進力。
青=赤とは真逆のクールキャラ。彼がいることで「アカ」が「バカ」にならずに済んでる。
黄=チームのムードメーカー、あるいは力自慢。少々ガサツなところもあるがそこも魅力。
緑=色そのままの平和的役割。SMAPでいうところの稲垣吾郎。
ピンク=紅一点。戦闘能力はそこそこだけど最後まで死なない。ピンクがいないとつまらない。

当然、ずっとこのままだと「芸がない」ので設定にはその都度工夫もみられますが、裏を返せばこの「王道プロット」があったからこその後続たちだったわけです。
そしてこれは単に「個性」を象徴するというだけではなく「5人」が絶妙な数だという暗黙のルールが出来た瞬間でもありました。
そういう目で見ると、なかなかですよ。当初の想像にあった「色物映画」だけでは終わらないものも色々と見えてくるから不思議です(まぁ、そんなにカッコいいもんでもないですけどね)。

やっぱりこの映画を観る方の大部分は福田監督のファンですよね、きっと。
「勇者ヨシヒコ」だったり「銀魂」だったり、あと娘がよくみてた「左江内氏」なんかもそうだけど、あの笑いは好き嫌いが分かれるかもしれないけど、好きな人にとっては中毒性があるくらい好きだよなと。

で、福田作品に欠かせないバイプレイヤー(と呼ぶのももったいないくらいの存在感)、佐藤二郎さんやムロツヨシさんが「やっぱり」でてる。ムロさんは今回はチョイ役だけど、いやらし~雰囲気は健在。
それよりも佐藤二郎さんがいい。チャールズ最高。ほんとにどこからどこまでがアドリブなのかがわからない。平気でヒロインに「うっせ、ば~~か」とか言っちゃうし(笑)。

基本的には全編通してコメディです。福田ワールドです。一歩間違えれば悪乗りだし、本家に対するディスりスレスレの表現もあります。
でも、嫌な感じがしない。ギリギリまで攻めていても、どこかオリジナルに対する愛情やオマージュを感じるんですね。

例えば悪者と戦う場所は決って山奥の採石場。何故か怪人はそこにしか現れないし、そこから移動もしない。そこで正義の味方たちが登場すると、決って一人ずつ自己紹介が始まる。何故か怪人はそこでは攻撃しない。一応5人の自己紹介が終わるまで待ってくれるのだ。実は子供の頃から胸に秘めていた悶々とした思いをさりげなく茶化してくれた。
「そうだよね~」って感じで。
あと、怪人の造詣やネーミングも絶妙だった。「エリンギ」「カメムシ」「ジュンサイ」って・・・。
これも子供の頃思ってた。ゴレンジャーに出てくる怪人で明らかに弱そうなのがいるけど、なんでこんな怪人作っちゃったんだろ?って。
そこら辺を決して「叩く」んじゃなく「ツッこむ」ですね。「なんやねん、それ?」って。
そういう愛情ですよ。

あと、あの5人をキャスティングしたのは凄いね。今同じ事やれって言われたら、ひょっとしたら難しいかも・・・。それくらいのキャスティングだと思うよ。
だけど、誰も「私が!」となってなかったから「一人ひとり」がいい意味でキャラが立ってた。

偶然かもしれないけど、後に桐谷美玲が「YaHooMobil」、高畑充希が「DOCOMO」、有村架純が「au」のCMで火花を散らすことになろうとは・・・・。
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