dm10forever

寫眞館のdm10foreverのレビュー・感想・評価

寫眞館(2013年製作の映画)
3.8
【笑顔】

久しぶりに高校の時の卒アルとかみると「こんな奴いたっけ~?」っていう感じの人が必ず数人いると思う。

僕はサッカー部で北海道大会準優勝とかしたりして、当時の学内ではそこそこ有名人の部類にはいた(人気の有無は別)。
学校の玄関入って直ぐのガラスケースに「各部活が獲得したトロフィーやら盾やら」が飾られていて、その中に僕らが獲得したトロフィーとかと一緒に当時のチーム写真が今でも飾られているらしい。
(うちの職場の看護師さんの娘さんが今その高校に通っていて実際にわざわざ確かめてくれた)
でも、そんな僕も卒業すれば段々と忘れられていくし、「dm?そんな奴居たっけ?え?サッカー部?覚えてないな~」って言われてると思う。
まぁ、もう30年近くも前の話だしね、そんなもんか~(笑)

・・・でもね、写真を見ても名前と顔は全然一致しないくせに、ふとした拍子にみんなで廊下でバカみたいに騒いでいた光景とかはまるで昨日のことのように鮮明に思い出したりしてね、それこそもう30年近く経っているのに・・・。

で、そういう記憶の中に出てくる友達って、みんな笑ってるんだよね~。
きっと思い出だから美化されていたり、嫌なことはデリートされていたりするのかもしれないけど、それでも思い出は思い出。

部活も練習が苦しかったことなんかはあまり覚えていなくて、練習帰りにみんなでいつも立ち寄っていた駄菓子屋で先を争って食べたガリガリ君の味とか、キリンガラナ(北海道ローカル?)の独特の味とか・・。そしてそれを食べながら歩くバス停までの道すがらのみんなの笑い声とか。

思い出って、案外鮮明に残っているもんなんだな~って最近ぼんやりと思う。
僕らの時代はスマホはおろかデジカメすらない時代。
もっぱら写真を撮るなら「写るんです」がマストアイテム(笑)

男子はそうまでして「写真」に執着はしてなかったけど、女子の何人かはキャッキャ言いながら「ジ~ジ~ジ~(巻く音)、カシャ!」ってやってたっけ。

そう、写真が切り取るのは「その一瞬の表情」。
レンズに向かって笑顔を見せていたって、その心の奥では涙を必死に堪えているかもしれない。
逆にムスッとした顔していたって、本当は爆笑したいのを堪えているだけだったのかもしれない。

そんな一瞬を切り取った写真。

後から見返してみると、当時の「あんなこと」や「こんなこと」も蘇ってくる。
そうそう、みんなで騒ぎながら「ほら、みんな集まって~撮るよ~」とか言われて、「いいって、俺はいいって・・・」って言いながらもちゃっかり大好きな女の子の隣をキープしていたり・・・。

一枚の写真にこめられた想い。

そこには「撮る人」と「撮られる人」がいて、それぞれの想いがあって・・・。

懐古的なのかもしれないけど、やっぱり携帯とかで「簡単に撮っては消して」ができる写真は、バリエーションとしては広がったけど、その分「一枚に込められた想い」って言うのは薄くなってしまった気がする。

そんなこと言いながら、僕のスマホの中には撮り貯めた子供たちの写真で溢れかえっている。
もう現像しようにも枚数が多すぎて追いつかない。
いつか、僕以外の誰かがこの写真をみて思い出を共有することはあるんだろうか?

アナログって、「古い」「ダサい」の代名詞みたいに思っている人もいるかもしれないけど、アナログだから良いものだって沢山あるし、「アナログしか勝たん」ものだってきっとある。

・・・今度は小学校の卒アルでも見てみるか。


今回は映画の内容とはあまり関係のないレビューになってしまった・・・・。
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