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サード・パーソンのKotaのレビュー・感想・評価

サード・パーソン(2013年製作の映画)
3.8
“私を、見ていてね。”

“ノクターナルアニマルズ”を思い出させるような伏線の数々、考察のしがいがある良脚本。物語はパリ、ローマ、ニューヨークを舞台に異なる男女の一見関わりのないストーリーが、最後1つに繋がるという所謂“バベル”方式映画。キーワードは「水」「子供」そして「見ていてね」という言葉。

キャストが豪華で、個々のストーリーだけでも一本の映画にできてしまいそう。だんだんと物語が絡み合い、シーンの間に違和感が生まれてきたらもうラストまで一直線。物語を繋ぐ音楽がこれまた素晴らしくて、中盤ニューヨーク→ローマのシーンで同じ旋律でジャズ調になったりした時にはセンスに鳥肌立った。

題名の“サードパーソン(第三者)”が全てを表している。映画には第三者としてでてくる人物にもその人の生活があり、問題があり、人生がある。側面を変えればその誰もが当事者。しかし、この映画で唯一最後までサードパーソンでしか無かった人が分かれば謎は解けたも同然。あー面白かった!!!
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