ハター

ゴーン・ガールのハターのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

いい映画でした。この見終わった後の脱力感。この奇を衒ったキャラクター自体が本作の中で際立っているにも関わらず、しっかりと根を張り其処彼処に枝を伸ばしていくストーリーの展開が、それを支えていました。
複雑な構成の中で決して劣る事なく見事に演じていたロザムンド・パイク。素晴らしかったです。顔で演じる役者が好きな私としては、グッとくる表情がいくつかありました。ベン・アフレックもかるーい優男の役柄ながら、変わりがわりの状況において振れ幅の広さを見せ、その存在感は申し分ない。音楽を担当したトレント・レズナーのセンスも特筆すべき点で、元来音の陰陽表現が見事な彼の作る音楽は、この作品の性質にマッチしていて、違和感なく調和していました。(余談ですが、トレント・レズナーとベン・アフレックって似てる)

フィンチャーと言えば『セブン』の凄さに圧倒された記憶が拭えませんが、本作ではフィンチャーの御家芸であるシリアス要素に男女感の色を持つ事でとっつきやすさを感じました。言わば、誰にでも起こりえる内容ではあるので、きっと見た人の印象は様々かと思います。ちなみに、当方はブラックコメディとして捉える所に着地しました。(思わず笑いそうになるシーンがちらほらあったけど、笑ったらヤバそうな雰囲気だったので、がんばって堪えた)
ただひとつ、映画を見る前に作品の内容を少し入れてしまっていたのがなあ。そこだけが悔やまれます。これは何も知らずに見るべき映画でしたね。でも面白かったー。
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