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ゴーン・ガールのらのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

社会の暗黙の規範を揺るがすような映画で観ていて良い意味で辛かった。誰もが社会から求められたり、押し付けられたり、影響され、内面化してしまった幻想の中で、ある役割を演じながら生きているという現実への痛烈な皮肉。その最も象徴的なものとしての結婚。(だから結婚=悪という風に直結できるほど単純なものでもない。)

物語上の落とし所(=役割を演じ続けて生きる)はあっても、それが答えとは限らない。それ自体がデヴィッド・フィンチャー&原作・脚本のギリアン・フリンからの問いである。

他にも、マスメディアと大衆の反応の問題や、フェミニズム的な視点など、現代社会が如実に反映されている。映像表現も、中盤で種明かしがなされてしまうという明らかにミステリーとしての謎解き部分に重点を置いていない構成も、どれをとっても凄まじい映画だった。
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