ウシュアイア

天才スピヴェットのウシュアイアのレビュー・感想・評価

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
4.0
(2014年12月1日@シネスイッチ銀座)
10歳の天才少年T・Sスピヴェットは、活発な双子の弟の事故死に対する罪の意識から家族への疎外感を深めていた矢先、自分の発明がスミソニアン学術協会より権威ある賞をもらうことになり、家族に黙って一人家出同然で、ど田舎のモンタナから賞の授賞式が行われるワシントンへ旅に出る、というお話。

この映画の主人公T・Sは天才となっていますが、ここでのT・Sが感じる疎外感というのは、天才であるがゆえの疎外感、というよりも、他の家族それぞれが思い思いに生きることに対して感じる孤独感や死んでしまった弟への劣等感など、自我が目覚めてきた子どもにありがちな心理で、実は普遍性があるように思える。

ラストなど観なくても、大人の目で見れば主人公の疎外感などは子どもの独りよがりであることはすぐにわかり、主人公がそのことにどのように気付くか、というところにこの映画の面白さがあるように思える。

この手の作品を3Dにする意味があるのか、とも思ったが、モンタナの大自然と少年の非現実的な脳内世界は3Dで観ることで、インパクトが増した気がする。
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