監督 :
落合正幸
脚本 :
落合正幸
原作 :
常光徹
出演者 :
東京女子流
石橋杏奈
武田航平
葉山奨之
井之脇海
黒木辰哉
詩織(石橋杏奈)は奇妙な物音で目が覚める…物音の正体は全てが昭和63年発行の4枚の10円玉が激しく振動する音だった… 詩織は母の日記に残された昭和63年、高1当時の思い出を読み返し、 7月18日にガス事故で母の同級生たちが亡くなった事と、今日が命日だった事を知る…
母校“北山田高校”は廃校となっており近日中に取り壊される事になっていた… 詩織は母の代わりに廃校となった高校を訪ねる…
とある高校では彩乃、未夢、友梨、芽生、由佳、美晴、佑治、満夫、靖彦ら1年3組の生徒9人が過去に1年4組で起こったガス事故について噂話を始めたことから、体育館の中の人影…閉鎖された教室からの不気味な息遣い…そして保健室…で不可思議な現象が起こり始める…
一方、ネット映像チャンネルにフェイクのホラーを流すために廃校に忍びこんだ一樹、公雄、義人、ひとみの4人は撮影の為に校舎の中に無断で忍込み撮影を行っていた… そしてひとみは公雄から聞いた異界に繋がる“きつねの窓”を作り、その中を覗いてしまった…そこか不可解な出来事が起こる…
演出は“落合正幸監督”だけあってカメラアングル、カメラアングルは言うまでない流石と言える出来栄え☝️
“落合カラー”は今作では使用してないので、知らずに“ぱっ”と見たら落合正幸監督作品だと分かりづらいかも…
【落合正幸監督作品】
パラサイト・イヴ(1997年)
催眠(1999年)
世にも奇妙な物語 映画の特別編「雪山」(2000年)
天使の牙B.T.A.(2003年)
感染(2004年)
シャッター(2008年)
怪談レストラン(2010年)
学校の怪談 呪いの言霊(2014年)
呪怨 終わりの始まり(2014年)
呪怨 -ザ・ファイナル-(2015年)
前半は流石重鎮だけあって演出が気持ち悪く作用しているが、後半に差し掛かってきた段階から雲行きが怪しくなる…
過剰表現が過ぎるとコメディに見えてくるのでバランスが物凄く難しい…🤔
この作品、評価がいまいち良くない…
前作、
学校の怪談(1995年)
学校の怪談2(1996年)
学校の怪談3(1997年)
学校の怪談4(1999年)
が良すぎたのもあるがシリーズと同じ感覚で今作に挑むと痛い目に合う…
😱
何故かと言うと大人向けに物語を難解に作っているため前作シリーズのお気楽な内容を考えると高低差が激しすぎる…
😱
物語が難解すぎて鑑賞中に整合性を求めるのは正しい見方では無い🙅
ただ登場人物たちと不可解なアウターゾーンの世界にどっぷりとその身を置くのが良いのでは🙆
見終わってから頭の中で整理するなり、もう一度見るなりするのが正しいかと🤔
ここから私なりの分かる範囲内での分析をしたいと思う🤔
物語は3つの班に別れている!
登場人物は以下の通り!
【A班】
詩織(石橋杏奈)
【B班】
彩乃(小西彩乃 / 東京女子流)
未夢(山邊未夢 / 東京女子流)
友梨(中江友梨 / 東京女子流)
芽生(庄司芽生 / 東京女子流)
その他
↓
由佳(吉田まどか)
美晴(夏居瑠奈)
佑治(葉山奨之)
満夫(井之脇海)
靖彦(佐藤匠)
養護教諭(石堂夏央)
【C班】
一樹(武田航平)
公雄(黒木辰哉)
義人(菊田高之)
ひとみ(新井ひとみ / 東京女子流)
【ABC班に登場】
黒い制服の女(山田都和子)
【身体状況】
A→詩織
B→1年3組
C→ユーチューバー
A(A>C>Bで時代が新しい)
↓
B=接点なし
C=姿は見えない、声も聞こえない
B(昭和63年)
↓
A=声が聞こえる
C=姿は見える、声も聞こえる
C(A>C>Bで時代が新しい)
↓
A=姿は見える、声も聞こえない
B=姿は見える、声も聞こえる
【時系列状況】
↑ =時間経過
→=並行世界 or 四次元世界への移動
【A】
自宅に帰宅
↑
放送室
こっくりさんVHS鑑賞
↑
廃校となった高校を訪ねる
放送室でのアナウンス
↑
詩織(高校卒業済)
母の日記を見る
7月18日
↑
昭和63年
7月18日
母親→高1、1年4組
ガス事故
8人生き残り
残りの同級生全員亡くなる
【B】
元の世界に戻ってこれず
↑
7月18日
1年4組教室侵入
自分たちの遺体と対面
詩織アナウンス
↑
撮影隊と遭遇
↑
教室戻ってくる→ 学校に監禁
芽生
由佳
美晴
佑治
満夫
靖彦
↑
保健室から教室→
彩乃
↑
鏡の前→
未夢
↑
友梨倒れる→
保健室
↑
不可解な出来事
教室
体育館
↑
1年3組
過去1年4組で起こったガス事故
【C】
ひとみ脱出
↑
一樹、公雄、義人
元の世界に戻ってこれず
↑
1年3組9人と遭遇
↑
詩織と遭遇
内輪揉め
↑
レッドブルが鏡の前に無い→学校内迷う
↑
トイレで撮影
↑
廃校に忍む撮影隊
【考察】
それぞれのABC班の世界は、
並行世界なのか!?
異世界!?
四次元世界!?
なのかは劇中明かされていないので不明!
“並行世界”で仮定して説明するが、ABC班の世界は別物と考えていい!
A班
物語の主軸となる世界だと思われる→ぶれない世界でないと主軸にならず、主人公の詩織が他の班の世界に移動しないため、この考察に至る!
冒頭のこっくりさんをする映像とラストのこっくりさんをする芽生(母親)の映像は同一世界と推測!
↓
1年4組
ガス事故の7月18日
芽生は風邪で学校を休む
8人を残してクラス全員死亡
放送室のVHSの映像にはこっくりさんをするB班8人の映像と後から遅れて来る芽生(母親)の映像が映るがこれは別世界と推測!
ABC班の並行世界とは別の“D班”の世界があると考えられる!
B班
A班の世界とは別の芽生(母親)が存在する世界で1年3組に在籍しており、1年4組は存在しない。こっくりさんはしていない。
C班
傷んだ校舎、封鎖された窓、雑草の生えたグラウンド、荒廃の進む学校。この世界に芽生(母親)、詩織が存在するかは不明。
D班
上記で述べたように
放送室のVHSの映像にはこっくりさんをするB班8人の映像と後から遅れて来る芽生(母親)の映像が映るがこれは別世界と推測!
E班
BC班ともども元いた世界から移動して来た世界。B班の元いた世界と類似する点があるこの世界には以前1年4組が存在していた痕跡があるが教室は壁で封鎖されている…移動して来たB班によって壁が壊され中に入るも、そこで見た物は布袋を頭に被せられた自分たちの死体だった…
劇中どのような過程で死体となったかの明白な答えはなかったが、もし仮にこのE班の世界とD班の世界が同じだとすると物語の展開で合点がいく!
そうするとA班の世界に何故、放送室のVHSの映像(D班)があったのか!?…と言う疑問が出てくる!?…劇中で放送室から立ち去る詩織のカット割りから自宅のカットに繋がるため詩織以外の他の人物(道を歩く通行人、走行中の車、など…)の映り込みが確認できないため確証は無いが、詩織もD(E)班の並行世界に移動してきている可能性もあり得る…
放送室のVHSの映像を見る前、即ちマイクでガス事故の経緯を語るシーンまでは詩織はまだA班の世界にいる!
A班の世界
B班の世界
C班の世界
D(E)班の世界
の4つの並行世界が入り混じった話となっているのだが、
時系列で並べるとこうなる!
【現代】
A
↑
↑ C
↑ ↙
↑
↑ B → D
↑ ↑
A B
【昭和63年】
この並びの最中にBC班はD班の並行世界に移動した後に、
A班の姿を見るC班🙆
だがC班の姿は見えないA班🙅
→A班はD班の並行世界に移動して来たC班を捉えきれていない=A班はD班の並行世界に移動して来ていないと推測。
A班の声(館内放送)が聞こえるB班🙆
A班の声(館内放送)が聞こえないC班🙅
だがA班の姿は見えるC班🙆
推測❶
これは並行世界から遠い位置にあることを示しているのではと推測する。
並行世界の間に何らかの空間の壁があって壁の障害があって映像は通るパーセンテージが高いが音声は通るパーセンテージが低い。
A→C→D 経由
A→B→D 経由
の違いによるものなのか(下記図参照)
【現代】
A
↑
↑ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ C
↑ ⇙
↑
↑ ⇒ B ⇒ D
↑ ↑
A B
【昭和63年】
によって詩織はまだA班の並行世界にいる。
推測❷
詩織が語る1年4組のガス事故の物語(言霊)は、B班の1年3組に関わる事柄のため、部外者のC班には聞こえない。
推測❸
見る見えない
聞こえる聞こえない
ただの恐怖混乱演出だけ。
どれを考えても劇中には答えはないので憶測でしか書くことができない…
そこら辺は不親切な作りになっている…
“ひとみ脱出”と【時系列状況】で説明しているが、劇中で鏡を椅子で叩き割る演出があったためD→C班の並行世界に脱出したものと推測したもので確証はない…
何故なら“ひとみ”が学校から出て雑草が生い茂っているグラウンドを泣きながら歩くシーンがあるのだが、これがC班の世界のグランドと断定できない。何故ならC班の学校に訪れた際の映像が無いからだ…あるのは校舎の鉄鋼窓から入るシーンがC班の物語の冒頭に来ているため、校門→グランド→校舎の描写が無いのだ…
❶脱出できても悲しくて泣いているのか
❷他の3人を置いて来てしまった事で泣いているのか
❸C班のグランドと違う装いのグランドで元いた世界でない事に対して泣いているのか
いずれかも不明である…
それゆえABC班の全員全滅もあり得るのだ!
この一連の騒動の“原因ぽい”のが、黒い制服の女(山田都和子)なのだが彼女が何者で何故このような奇怪な現象を及ぼすのか!?何故ターゲットが彼女たちなのか!?劇中では語られないし映像での表現もないので“ぽい”としか表現出来ない…
【結論】
ホラーの重鎮落合正幸監督はこう言いたいのかなぁ…
“奇怪な現象”に理由はない
or
ちゃんと映像に落とし込んでいるよ
🤔
難解すぎる…
①鑑賞年齢30代
②心に余裕鑑賞なし
③思い出補正なし
④記憶明確