黄推しバナナ

ロスト★マイウェイの黄推しバナナのレビュー・感想・評価

ロスト★マイウェイ(2004年製作の映画)
3.5
商業映画社会に潰された天才の一人…
それ故に儚くて切ない気持ちになる…
心中察するに余りある…

監督 :
古澤健
脚本 :
古澤健
出演者 :
松重豊
植田祐一
安田尚哉
アレックス・コックス


【番長シリーズ】

第1弾
ワラ(^o^)番長
❶独立少女紅蓮隊
❷ロスト☆マイウェイ 👈
❸稲妻ルーシー

物語は、
郊外の中古自動車店・田宮モーターズに集まってバンド活動を行なっている吾郎、信平、亮介の冴えない中年男3人組。ある日突然、亮介の目から破壊ビームが出るようになり大騒動に…

こちらも過去視聴済み☺️
レビューのために再視聴☺️

数枚の風景写真の貼り合わせの斬新なオープニングで引き付けられる☺️
ヤンキーにカツアゲされる田舎道の中古車販売店の吾郎(松重豊)で鷲掴みにされる☺️
近くの野原にはヤギ一匹☺️
のんびりとしたロケーション☺️

広島県で言ったら熊野方面から八本松方面に抜ける道沿いにありがちなロケーションだね🤔
わかる人おるのか😰

吾郎(松重豊)、信平(植田祐一)、亮介(安田尚哉)3人で暇つぶしの一環でしかない厨二病丸出しのバンド☺️
本気でない“そこ”が良い☺️
仕事ダメ
人生設計もダメ
人間的な成長もダメ
ダメダメ感がさらに良い👏
仕事場で放射能を浴びて目からビームが出だすちょっぴりファンタジー感も👍
ダメな輩だから慌てないの😆
普通病院行くよね😆
目からビームをしょうもない事に使うのよ😆
世界征服を企むとかではないよ😆
そんな感じにならない“そこ”が良い👏

技術的に、カメラワークとは、カット割りとは、演出とは、小物とは、ライティングとは、ロケーションとは、を理解して画に収められている🤔

素晴らしい☺️

実は古澤健監督作品を追い出したのは、

オトシモノ(2006年) ←
トワイライトシンドローム デッドクルーズ(2008年)
アナザー Another(2011年)
今日、恋をはじめます(2012年)
ルームメイト(2013年)
クローバー(2014年)
ReLIFE(2017年)
恋と嘘(2017年)

ここから“商業映画社会に潰された天才の一人”と追うのを止めました…

何処のタイミングで今作を見た記憶は鮮明ではないが、今作を見てもっと自由に作ればいいのにと思ったのは鮮明に覚えている🤔

走れ!T校バスケット部(2018年)
まだ“商業映画”作ってんだと冷めた目で見とりました…😰

そんな不遇な監督の傑作でありました☺️



ここからは今作酷評の方に対して、冷水をぶっかける様なコメントなので引き換えしてね☺️









解せぬ!

解せぬのだ!

死体を見つけに行く子供の青春ムービーは何も言われないのに…
レイプ男を殺害して逃避行をする女性の青春ムービーは何も言われないのに…
何故にダメダメな男性青春ムービーは言われるのだ…

目からビームが出るからなのか…
目からビームは、

言葉のあや
ものの例え
比喩

なのですよ🤔

“つまらない邦画が量産されるのは理解力の低い観客に合わせて作られているから”
岡田斗司夫が自らのYouTubeチャンネルで言ってたがそれも一理ある!
だが理解力が低いから“悪”、理解力が高いから“正”って言いたい理由じゃないのよ…

目からビームが出るのは何故なのか!?
何を表現しているのかを考えて欲しいのよ🤔

同じ題材でも直球な作品もあれば、変化球な作品もある🤔

漫画で例えると、宇宙から飛来した物に侵食された(テーマ)、

強殖装甲ガイバー or 寄生獣

て作品がある。
ガイバーは、宇宙から飛来した物に侵食され差別に合いながら地球外知的生命体と戦う作品で直球な作品🤔
寄生獣は、強者は人間で私利私欲で人を殺す生物(人間)に対して弱者は宇宙から飛来した生物(寄生獣)側なんだと深いテーマが込められている🤔
理解力が低い人にはバトル漫画として面白く、理解力が高い人には深い裏テーマが込められていて面白くなっている🤔


音楽で例えると、若者の憤り(テーマ)を歌詞に込めた、

尾崎豊 / 15の夜、卒業
or
THE BLUE HEARTS / TRAIN-TRAIN

て作品がある。

尾崎豊の歌詞は直球で比喩は使わない情景を見たまま歌詞に転写している!

15の夜

盗んだバイクで走り出す 行く先も解らなぬまま
暗い夜の帳りの中へ
誰にも縛られたくないて 逃げ込んだこの夜に
自由になれた気がした 15の夜

卒業

行儀よくまじめなんて クソくらえと思った
夜の校舎 窓ガラス壊してまわった
逆らい続けあがき続けた早く自由になりたかった
信じられぬ大人との争いの中で
許しあいいったい何解りあえただろう
うんざりしながらそれでも過ごした
ひとつだけ解ってたこと
この支配からの卒業

THE BLUE HEARTSの歌詞は変化球を伴い考えさせられる

TRAIN-TRAIN

栄光に向かって走るあの列車に乗って行こう
はだしのまま飛び出してあの列車に乗って行こう
弱い者達が夕暮れさらに弱い者をたたく
その音が響きわたればブルースは加速していく
見えない自由がほしくて
見えない銃を撃ちまくる
本当の声を聞かせておくれよ


どちらも青春の見えない不安な未来と、大人達に頭ごなしに捻じ伏せられている感じと、それに対しての反抗を歌っている🤔


寄生獣にしても
TRAIN-TRAINにしても
文学的要素を含んでいるのよね🤔

もう一度言うが、
理解力が低いから“悪”、理解力が高いから“正”って言いたい理由じゃないのよ…

話を今作に戻して、目からビームでなくともよかったのよね🤔
古澤健監督が比喩対象として目からビームにしただけなのよね🤔

だから目からビームってなんだよ〜て“いいっこなしよ”て事なのよ🤔

大白小蟹原作の
“うみべのストーブ大白小蟹短編集”
て漫画があるのだが、
その短編の中に
“うみべのストーブ”
てあるのよ☝️

運命のように出会ったえっちゃんとスミオにもある日訪れた死の別れ…傷心のスミオを海に連れ出したのは、隣で彼を見守り続けていたストーブの話なのよ🤔

なんで海辺に人とコンセントに刺さってない電気ストーブなのよ…何いってんの…
と“いいっこなしよ”て事なのよ🤔

大白小蟹先生はストーブでなくて良かったのよ…両親でも、恋人でも、友達でも良かったのよ…でも隣に寄り添って心の支えになってくれる表現、第六感に訴える表現を読者にも同じ共感できるものにしたかった、故の温かく包んでくれる電気ストーブの表現だったのよ🤔

この第六感は共通認識だからなのよ☝️

台詞で言わすところは説明して、考えさせたいところは絵で語る、文学的要素を含んでいるのよね🤔

今作の目からビームは、世間から見ると異物=大人になれないダメな人間を表現している🤔
また目からビームが出ているのに、病院に行かない=ダメな人間🤔
目からビームをしょうもない事に使用する=ダメな人間🤔

楽天主義なダメな人間のアンチテーゼとしての表現方法が目からビーム☺️
この効果によってラストの3人でJeepで疾走するシーンにエモさが生まれると私は考察しました☺️

目からビーム無しでもエモーショナルで作れただろう!?って…

そんな王道的な作品は、

スタンド・バイ・ミー(1986年)
監督 : ロブ・ライナー

テルマ&ルイーズ(1991年)
監督 : リドリー・スコット

に任せとけばよくねーか
黄推しバナナ

黄推しバナナ