みんと

グレート・ビューティー/追憶のローマのみんとのレビュー・感想・評価

3.8
『きっと ここが帰る場所』がハマったので同監督作品のコチラも鑑賞。

いや~もうコレは正真正銘、立派な芸術作品。荘厳且つ重厚、ストーリード返しで映像美に酔いしれる、いや酔いしれざるを得ないセンスの塊。まさしく“大いなる美“と言った作品だった。

キリン、特大クマのぬいぐるみ、修道女、鳥達…、時にシュールでぶっ飛んだ感じは先に観た作品でしっかりインプットされてたものの、更にそれを超えてきた。

それにしても主人公ジェップを演じたトニ・セルヴィッロの色気たるや!決して個人的にタイプでは無くても認めざるを得ない洗練された大人の男と言う感じ。65歳のオヤジ感を大人の余裕と色気でスマートに包み込んでる。時折見せる抜け感も絶妙。

順風満帆に思える人生が何かをきっかけに虚無感へと変わる。自分の人生いったいなんだったんだろうと我に返る。
地位やお金では決して満たされない心の空虚さって確かにある。もっとも何も持たないあの頃を望むのは些か贅沢な話ではあるんだけど。

静寂の中に古典的な美しさを醸すローマの風景美と夜毎開かれるセレブ達のダンスパーティー、静と動の対比に更に死の要素を絡め良くも悪くも人間そのものを描いてゆく…

通して洗練された映像と洗練された台詞達が思いのほか人生哲学に触れる頗る大人な作品に思えた。
そしてイタリア好きがぐんぐん加速する感じ。

出来ることなら今作品、更にもう1歩踏み込んで味わえる大人になりたいなあ…
既に十分大人ではあるんだけど 笑
みんと

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