このレビューはネタバレを含みます
なんで続編がどんどんできているかという、人気の秘密を知りたくて今ごろ鑑賞。
で、納得。これは痛快です。
なんてったって、キアヌが演じるジョン・ウィックを、みんな最初から勝手に怖れてくれている。「え、あいつを敵に回しちゃったの?」みたいな空気。ヤバい訳あり自動車を扱う整備会社の経営者が、マフィアのボスから「俺の息子を殴ったそうだが……」という電話を受けて、ビビるどころか、「そりゃあ、あんたの息子がジョン・ウィックに手を出したからだろうが」と言い返し(そんな感じの台詞)、ボスがぐうの音もでないあたりから、ジョン・ウィックの勝利確定なんです。でも、それがいい。
一応、戦いの理由はあって、マフィアのボスの息子が、「キアヌの車かっけえ、ほしい」とばかり、押し込み強盗を働き、そこでキアヌをボコボコにしたばかりか、キアヌの亡くなった妻が残したワンちゃんも殺してしまう。
冒頭は、そんな感じで争いが起きる動機の説明パート。おそらく続編に譲るのだろうが、亡き妻との関係などは説明ナシ。
あれだけ怖れられているジョン・ウィックを、このチンピラ息子は知らなかったのか? 知っていたら、半殺しではマズい、完全に殺っておかないと……くらいのことはわかりそうなもんだが……。なんて考えるのは野暮というもの。
で、そこからはジェットコースター的に、ジョン・ウィックの復讐ドンパチが始まります。必ず頭を撃つなどしてトドメをさすジョンの仕事っぷり&そのくせ、せっかくジョンを殺れるチャンスなのにグダグダしているマフィアサイド。そのエリア内では「仕事」をすることを禁じているホテルの存在と、その中立地帯みたいなホテルのフロントマンがジョンに敬意を払っているあたり。
笑ったのが、ウィレム・デフォーが、やっぱりジョンの味方だったとか(笑) 要所要所に味方がいても「そうなると思った」で無問題。
まあいろいろ、見ようによっては「ご都合主義」ともいえる設定が、不思議と嫌みじゃなく、むしろオモシロを倍加させているんですね。
それもこれも、構成のテンポの良さがあるから不自然じゃないんだよなあ、と思わされた一作でした。これは、続編を観たくなるのも納得。