よしまる

恐竜100万年のよしまるのレビュー・感想・評価

恐竜100万年(1966年製作の映画)
3.0
 レイ・ハリーハウゼン。少年時代に「アルゴ探検隊」の骸骨剣士や「タイタンの戦い」のメデューサを観て心を鷲掴みにされた。
 まだ「ロードオブザリング」はおろか、「ドラクエ」さえもなかった時代。「火吹き山の魔法使い」や「ダンジョンズandドラゴンズ」といったテーブルトークRPGだけがファンタジー世界への入り口で、ゲームに使うホワイトメタル製のフィギュアを見て想像を巡らせるしかなかったモンスターたちの生態や動作を、唯一動く映像として提供してくれたのが、彼の生み出すクリーチャーたちだった。

 と、いう昔話からの、ハリーハウゼン参加の特撮作品から、未鑑賞だった2本を観る機会を得た。評判では全然「恐竜」100万年じゃないよ、というのと、恐竜より毛皮ビキニの美女が見ものらしい、ということだけを聞いていたのだが。

 原作小説の二度目の映画化だそうで、しかもイギリス製。非常に生真面目な、まるでドキュメンタリーかのような語り口で、そのくせ突っ込みどころに事欠かない物語。
 まだ言葉を使い始めたばかりの人類に、なぜか巨大なイグアナやカメさん、そしてお馴染みの恐竜たち、マイクラのエンダーマンみたいなのとか盛りだくさんのクリーチャーが現れる。

 思うに太古の人類のライフスタイルを描きたいのか、荒唐無稽な恐竜とのアクションを描きたいのか、ビキニスタイルのお嬢さんたちを描きたいのか、どこをとっても中途半端になってしまい冗長さが否めない。

 たぶんこの映画がなければ虎縞ビキニのラムちゃんもいないし一本木蛮もいないしサーバルもいなかったかもしれない。この時代にどんな顔料でアイシャドウを精製したのかわからないけれど、それだって共通した重要な記号なのである。やはり元祖の持つ説得力は強い。

 あれ、このレビュー、ハリーハウゼンの話を書くつもりがw