すごく良かった。
でも何が良かったのか上手く言えない。
この物語の登場人物たちは映像を知覚できない人たち、だとすれば全くのコミュニケーション不能な交信だと思うから。
でも国家間の事情とか人種、身分なんていう相容れない物事に想像力を巡らせることはとても好き。
観ていて全篇から伝わってくる優しさや切なさがとっても印象的だった。
ベタだけど目に見えるもの、見えないもの
、そんなものに想いを馳せる2時間だった。
盲人は光に曝され、健常者は闇に隠れる。
主人公の信じたかった目に見えない真実の存在、どれもかたちはないけどなんとなく理解は出来と思う。
ラストに向かうシーンと最後の詩がとっても大好き。
母さん
僕は恋をして
青春の全てを彼女の身体に捧げた
でも僕は彼女の名前を忘れ
彼女の面影ももう思い出せない
母さん
僕は夢を見たよ
虹が突然僕の空に現れたんだ
でも僕は虹の色を忘れてしまい
虹の端がどんなのかもう思い出せない
大好きなあの娘が
少しずつ僕の目を食べてしまって
僕の世界には赤い色だけが残った
もし時間が逆戻りできるなら
僕は最初から目を閉じておく
そうすれば何も見えなかっただろう