パディントン駅で拾われた。だからパディントン。パディントンはMr.ビーンではないので、悪意はない。ただトラブルを引き寄せる体質なだけ。
だからパディントンは、人間世界の常識のなさ故に家の中を海に変えたり、あるいは意識することなくヒーローになったり、二コール・キッドマンが怪演する剥製士を知らず知らずのうちに追い払ったりする。そのすべてにバスター・キートンのようなアクションが付きまとう。メリー・ポピンズのように傘で舞うところなどサイコーだった。
そして、家(Home)を探す物語を軸にして、パディントンは最後に一種の悪意、その言い方がよくないなら作為でもって困難に立ち向かう。あれはイギリスつながりでヒッチコックオマージュなのかも。
ファミリー映画として重要なテーマを扱っていることもそうだけど、なによりもアクションの魅力で引っ張っているところが素晴らしかった。