ryodan

複製された男のryodanのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
5.0
2014-07-24

ジェイク・ギレンホール主演。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。
面白かった。ありえない世界を本物にしてしまう映画ってスゴイね。今回は謎解きが売りみたいな宣伝文句でしたが、そんなことしなくてもどっぷり異世界にのめり込めば、充分に楽しめる映画です。あんまり謎ばっかり追ってもね。自分なりの答えが出せれば、個人的には、それが正解だと思います。ryodanの解釈はこうです。この世はクモの世界。クモの世界で、主人公は目覚める。大学で歴史学を教えていて、ふと同僚から薦められた映画を見る。そこに一瞬写り込んだ、自分と瓜二つの俳優。大学教授は、もう一人の自分に逢うべく行動に出る。話は、そこから急展開していきます。主人公は、もともと俳優の意識を終わらせるために登場した、言わば副産物だったとしたら。通常の物語では、ホントは主人公は俳優だったとしたら。粗野でワガママな自分。全く正反対の自分。世界は、自分ではなく、もう一人の自分の意識に開かれていたとすると。そしてその意識が一つの終わりをみせると、次の瞬間、副産物だった自分が、俳優、つまりホントの自分を歩み出す。そして、メスグモは自分の種を内包しています。それがこの世界を形作っている象徴として描かれているとしたら。映画の中では、妊娠中の女性が出てきます。とするとこの世界は、生を受ける前の種のなかにある、たくさんの浮かんでは消える意識の中の一つに過ぎなかったのではないでしょうか。なんて解釈をしています。
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