たりほssk

バベルの学校のたりほsskのネタバレレビュー・内容・結末

バベルの学校(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

パリ市内の、ある中学校の適応クラスに集まった11歳から15歳の子供たちの1年間を追ったドキュメンタリー。
彼らは世界各地からフランスに移住してきました。アイルランド、セネガル、ブラジル、モロッコ、中国…。その国籍は24か国に渡ります。そして育ってきた背景、文化、なぜフランスに来たのか、一人一人全く異なる事情を持っているのです。
学校では、挨拶の仕方、宗教など、議論やけんかも絶えません。しかし、その様子を見て、多様性を生きるということはまさにこういうことなのだと思いました。そして、ぶつかりあいながら相手との妥協点を辛抱強く見つけることが大事なのだということを教えられました。自分とは全く違う常識を持つ人々、大切に思うことが自分とは違う人々と、どのようにしたらうまく共存していけるのか、そのためにどう振舞ったらよいのか、それは自分にとっても身近な問題だと考えています。
またセルヴォニ先生の子供たちへの対応がとても心に残りました。子供たちと話をする時は常に彼らの感情や意志を確認するような受け答えをし、決して別の方向へ誘導するような話し方をしていなかった。また本人にとって厳しいことを言う時は「あなたにとってベストの選択を言います。」などと前置きをしていたところが素晴らしいと思いました。
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