バベルの学校の作品情報・感想・評価

バベルの学校2013年製作の映画)

la cour de Babel

上映日:2015年01月31日

製作国:

上映時間:89分

3.7

あらすじ

「バベルの学校」に投稿された感想・評価

親の都合とか、政治や宗教や、とにかく大半が自分の都合ではない事情でパリににいるローティーンたち。
様々な出身地だけど同じようにフランス語が出来ない子達が一つのクラスで勉強している。
先生の粘り強さは頭が下がるんだけど、子供達も、振り回される環境や、好きでもない言語での就学など、とにかく怒りを抑えて抑えて頑張って適応しようとしてるんだなぁというのがビリビリ伝わってくる。
一様に勉強したらいい未来が待ってると信じられるだけの、受容れ体制を整える国のフトコロも感じる。
舞台となるフランスのグランジェ・オ・ベール中学校の適応クラスには24人の生徒と20の国籍。生徒の年齢はおおよそ12歳から15歳。親の意向でパリに送られて親戚の家で暮らす生徒もいれば、ネオナチから逃れるために家族でパリに逃げてきたユダヤ人の一家もいる。世界の縮図のようなこのクラスのドキュメンタリーを見れば、多文化共生が実現されるまでの道のりがいかに遠回りで泥臭く、ストレスフルなものであるかということがよくわかる。

映画冒頭のシーンでは、「みんなの母国語で“こんにちは”はどう言うの?」というテーマで授業がおこなわれていた。クラスメイトがひとりずつ前に出て、黒板に母国の文字を書き、どのように発音するかみんなの前で披露する。ある生徒が前に立ち、自分の“こんにちは”を発表するのだが、別の生徒から「あなたの宗教でその言葉を使うのはおかしいわ」とヤジが飛ぶ。喧嘩腰のヤジに対しクラスの雰囲気は一変し、発表した生徒は癇癪を起こす。初めは不慣れそうなフランス語で言い争うのだが、次第に感情が高ぶり、母国語を使って、とてつもない剣幕で怒りだす。はじめクラスの担任教師は、見守る姿勢を取っていたが、言い争いがヒートアップし収拾がつかなくなったのを見かねて仕切りなおす。また、別のある生徒は、母国語を喋ることは出来るが読み書きが苦手で、黒板に書くことができない。クラスメイトの視線を浴びながら、発音を披露して自分の席に戻る。着席した後は机に突っ伏して動かない。

また、ドキュメンタリーの中で担任教師はことあるごとに生徒と、もしくは生徒とその保護者と面談を重ねていた。特に教師、生徒、保護者の三者面談の場合には、保護者がフランス語を理解できないことが多く、教師の言葉は生徒を介して保護者に伝えられる。ある生徒は、本来であればフランス語がわからない母親のために翻訳係を担当しなければならないのだが、自分の授業態度について苦言を呈されると、黙り込んでしまった。察した母親が「先生がなんて言ってるかちゃんと話なさい」と促すのだが、生徒はだんまりを決め込む。教師のデスクを挟んで、親子喧嘩はヒートアップし、いらだった生徒が教室から飛び出す。飛び出した生徒はドキュメンタリーのカメラに向かって「ママも先生もわたしの孤独をわかってくれないんだわ、いつも家に帰ってもひとりだし」と涙ながらに訴える。

このドキュメンタリーから分かるように多文化共生への道のりはとても泥臭く、時間がかかり、ストレスフルで日々愚痴が絶えないものだ。分かり合えない苛立ちや孤独感、成績優秀な生徒への嫉妬など、生徒たちの葛藤が撮られる一方で、クラスメイトが一丸となるシーンもあった。転校する生徒へのメッセージボードづくりや地元の映画コンクールに提出する作品づくりなどだ。世界の縮図のようなこのクラスで、生徒たちが一丸となってひとつのイベントに取り組むことができたように、協同して何かに取り組むことが多文化共生社会の実現の第一歩だと言える。
てぃー

てぃーの感想・評価

4.2
自分のルーツがどこにあるのか、拠り所がどこなのかも分からない子供達が、そんな辛い現状であっても勉強を求める姿が深かった。多様性の中で様々な障壁を乗り越えて生きる姿がすんげんだあ。
中学生なのに親元を離れて言語の壁を超えて人生のために勉強するって本当に尊敬する。
授業の課題として選び鑑賞
一言でいうと、深い
何が深いかというと、10代半ばにして宗教のことも、人種差別のことも、自分の境遇のことも、子供なりに理解してそれを乗り越えようと努力している姿が応援したくなる
多種多様なバックグラウンドを持っている人たちが一つのクラスで学ぶことは、一筋縄ではいかない難しさがあると思う、でも先生の心の広さは地球よりも遥かに大きいんじゃないかっていうくらい寛大で一人一人に気を配って将来を考えてるのが素晴らしい
日本の同世代の子供は宗教について議論する機会はあまりないと思うけど、彼らは世界に様々な宗教があり、みんな異なっていて、なぜいがみ合うのかというようなことについて、しっかり自分の考えを持っていて議論できるって素晴らしいことだと思う、それは若い時からさまざまな人に出会って触れ合うことで得られる知見なのかなと感じた
miharu

miharuの感想・評価

3.5
大学のバリアフリー映画上映というイベントで視聴。初めてZoomで映画を観ました!少し前に「12ヶ月の未来図」という映画を観て、フランスの移民、教育について興味を持ったのでぴったりな内容でした。かなり似てる内容だったけど、生徒と先生より、生徒たち同士の議論、クラスの絆を描いていた印象。

まさに「世界の縮図」のようなクラスで、肌の色や言語だけではなく、様々な「違い」を示している映画でした。家庭環境、学力、フランスに来た理由、母国への思いなど。日本ではあまり考えたことがない宗教の捉え方、教育の機会、人種での差別について。
均一化するとか馴れ合うとかじゃなくて、こんなにも違うからこそ、自分という存在が、私・あなたという「個」が価値あるものであると気付くこと、多様性とはこういうものなのかなと思いました。

最後先生が生徒たちの将来を語るシーン、希望に溢れてていいなあと涙が出ました。簡単に可能性は無限大だとかは言えないけど、彼らの将来の選択肢を一つでも増やせるように、一人一人に向き合う先生の姿は素晴らしかった。

学生の映画で登場した「違いと共通点」について。こんなにも違う私たちの共通点ってなんだろう。じっくり考えてみたいなと思いました。
May

Mayの感想・評価

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宗教に関する授業で鑑賞。すごく考えさせられた。
民族が入り混じってるわけではない日本ではこんなに他国の事情を知る機会が日常的にあるわけではないので平和ボケしすぎてるなと実感した。

日本に住んでると宗教ってほんとに遠い存在なんだなと思い知らされた。多民族、多様性、多文化ってこうゆうことなんだって思った。

ナチュラルに宗教の話が出てくるし、キリスト教とイスラム教の神話の違いによって口論になったりでもそれを認め合ったり。キリスト教徒だけどイスラム教徒の意見も尊重したり、宗教が身近にあると子どもであってもこんなに他人を尊重できるんだなって驚いた。

子どもたちそれぞれの葛藤がすごく伝わってくるしめちゃくちゃ共感できてすごく複雑な感情になった。一年の終わりのところは一緒に泣いてしまった。
RyoS

RyoSの感想・評価

3.3
上映環境がZoomの画面共有ということで、最後までずっと紙芝居だったのが惜しい。

自分が如何に恵まれている環境かを痛感するとともに、見た目でいじめたりシャイだったりという子どもたちの関係は万国共通なのだと感じた。

そして様々なバックグラウンドを持ち、様々な信仰を持っているからこそできる哲学的議論や、お互いがお互いの国の事情を生身の人間を通して知る事で異なるものへの理解が進んだりと、多様性のメリットが浮き彫りになっていっていく様を、移民問題だけでなく、マジョリティ、既得権益層にとってもなおそのような環境から得るものは大きいと気づき、享受できるようにする事が重要であると感じた。
Minori

Minoriの感想・評価

3.4
教えることと学ぶことがぶつかり合うだけでなく、言葉に変換できない色々なものがぶつかっている場を垣間見ました。
こうしていろんな子がいるから分かりやすく見えるけれど、同じような子しかいないように見える各種その国のいわゆる「普通の」学校のクラスの子どもたちも言葉に変換できない何かと日々ぶつかっているのかもしれないとも思いました。
A

Aの感想・評価

3.7
ドキュメンタリー映画。あるイベントで鑑賞させていただきました。

多くの国・文化からやってきた子供たちが同じ教室で学ぶ姿を通じて、90分弱でたくさんのことを感じ、学べた一本です。文化だけでなく、子供達それぞれの性格や信仰、家庭環境も異なり、その中で一人一人が悩んで言葉を発する姿、成長する彼女ら彼らの姿に色々と考えさせられました。特に、宗教等に関する話題で、意見をぶつけ合う姿は、日本ではあまり観ない光景ですよね。

多様性が叫ばれる時代に、本当の意味での他者の理解とは何か、多様性における利点と問題点は何か、そういうことを学び考える意味でも重要なドキュメンタリー作品だと感じます。

最後には思わず涙。子供達の人生はまだ始まったばかり。その後、皆がどうなっていくのか、非常に気になる、そんな作品です。
Kaana

Kaanaの感想・評価

3.8
Social Book Cafe ハチドリ舎主催のハチドリシネマ。zoomで映画を観よう!という企画に参加。
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様々な事情でフランスに移住してきた子どもたちが、フランスで生きていくためにフランス語を学ぶ教室。そこで起こる日常。

文化の違いから来る衝突や、フランス語がなかなか上達しない、教科学習に進めない、家族の不安定な状況、国に帰りたい、差別される…。

日本にも、様々な事情で日本に来なければならなかった子どもたちがたくさんいる。日本語指導が必要な子どもたちの数は、平成30年度の調べで外国籍日本国籍合わせて5万人以上。こうした子どもたちに関わるひとりとして、考えることがたくさんある映画でした。
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関わらない人にもぜひ関心を持って見てほしい!
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