サマセット7

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪いのサマセット7のレビュー・感想・評価

3.6
オリジナルビデオ「戦慄怪奇ファイルコワすぎ!」シリーズ第5弾。
監督は「ノロイ」「貞子vs伽倻子」の白石晃士。
主演はシリーズ通じて大迫茂生と久保山智夏。

いつも通り映像制作会社に投稿動画が送られてくる。
今回の動画は、撮影中の映画。
出演女優の頭の上に映っているのは、四谷怪談で有名なお岩さん!!
ディレクター工藤(大迫)、アシスタント市川美穂(久保山)とカメラマン田代正嗣(白石監督自身)は、前作の衝撃を乗り越えて活動を再開するが、ついに怪異は、撮影クルー市川をその標的にする…!!!!

いわゆるフェイク・ドキュメンタリー形式で作られた、オリジナルビデオ・ホラーシリーズ第5弾。
シリーズを重ねるごとに評判を高め、今では白石監督の代表作シリーズと言われる。

次作に「劇場版」を控える序章という位置付けで、霊能者宇龍院道元の登場や、異界の存在についての確信、整理など、次作への前振りが多く見られる。
お岩の祟りの調伏、というシンプルな流れと見せかけて、物語は前作までで存在が明らかになった「異界」との関連を見せ、ついに作品の世界観が見えて来る。

怖さ、という意味では、包丁を持って走ってくる人間のPOV映像が1番怖い。
肝心の調伏のシーンは、エクソシストライクで楽しいが、やや間延び感があるか。
架空の人物であるお岩さんの祟りの起こる機序の説明やお岩さんの片目の意味など、トンデモ考察として普通に楽しめる。

キャラクターの面白さは相変わらずで、今作ではアシスタント市川が、迫真の取り憑かれ演技を見せてくれる。
関心すべきか笑うべきか悩ましいあたりが今作の味だろう。

テーマ?
シリーズ通じて、モキュメンタリー・ホラーと見せかけて、何か新しく面白いモノを作り出す、という気概は共通している。

劇場版の前振りとなる、モキュメンタリーホラー(?)シリーズ第5弾。
前作でもそうだったが、気の抜けた異界の描写は爆笑ポイント。
作中で、前作DVDの当該シーンを見て、真顔でなんだこれ!!とか言ってるのは、とても面白い。