第87回アカデミー賞の長編アニメ映画賞とゴールデングローブ賞アニメ映画賞にノミネートされ、アニー賞では9部門にノミネートされ声優賞と美術賞を受賞した本作。正直この作品を知らなかったが、非常に良作であった。
アラン・スノウの小説「Here Be Monsters」を元に制作された、「ボックストロール」と呼ばれるモンスターたちと、ボックストロールに育てられた少年の冒険を描くストップモーションアニメ。
人間は本来は無害であるはずのボックストロールを無意味に恐れ、ボックスロールは人間からの長年の迫害を当たり前のものとして受け入れてしまう。そしてその恐怖を糧に財力を築く者もいれば、地位と名誉に溺れる者もいる。それはどこかしら我々の世界の迫害と差別の歴史を思い起こされる。そこに父と子の問題を主人公、ヒロインともダブルで入れ込みそれぞれが解決するという素晴らしい結末。見事な脚本である。
その特徴的なビジュアルは少々子供達には怖いかもしれないが、その愛くるしさにいつの間にか心奪われる事だろう。
