めかぽしや

0.5ミリのめかぽしやのレビュー・感想・評価

0.5ミリ(2014年製作の映画)
4.2
ヘルパーのサワはある日介護先で「お祖父ちゃんと一緒に夜寝てくれない?」と頼まれる。
そんな冒頭。
インパクト大!

主人公サワを演じるのは安藤サクラさん。
姉の安藤モモ子さんは監督で、
脇を固めるのは大物俳優達。
中でも東西のコメディアンが出演しているのがユニークだし、サクラさんの義理の両親も出演してるし、父がエグゼクティブプロデューサーで身内で固めている。

色々とあって“家ナシ、金ナシ、仕事ナシ”の崖っぷちに行き当たってしまったサワは不審な老人を見つけては押しかけヘルパーをする事に・・・。
劇中、複数の老人と接してそれぞれの個性や孤独と向かい合う話しなのでオムニバス作品であるし、移動もしていくのでロードムービーでもある。

サワは虎視眈々と老人の弱みを見つけては押しかける。
初めはサワを邪魔者扱いするが持ち前の明るさと機転とお料理の良さでモノクロだった老人達の人生に明かりを灯す存在になるサワ。
悪魔のような天使のようなそんな存在。
でも、サワ個人の事は1つ以外は全く話されない。


監督の安藤モモ子さんは役者としての安藤サクラさんをとても尊敬しているし、妹としても宇宙で一番可愛い存在と言った所にグッときた。
そんな監督が安藤サクラさんを撮るのだから素晴らしくなるはず。

実際、素晴らしかった。
監督が描きたかったのは現代のニューヒーロー。
それがヘルパーのサワ。
決して楽ではない介護の世界を重いだけではなく、笑いを含めて映している。
そんな重さや笑いの部分を笑いを仕事にしている坂田利夫さん、井上竜夫さん、柄本明さんが演じているので深みがあると思う。

綺麗事だけではなく、闇の部分を描いているけどヘルパーのサワが強く照らして導いてくれる。
そんなサワにクギ付けになる作品!
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