マルメラ

バクマン。のマルメラのネタバレレビュー・内容・結末

バクマン。(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


原作は未読。
展開や設定など全く知らない状態で純粋に映画のみのレビューです。
長文です。

結論から言うと、「俺この映画、好き」

ジャンプのプロパガンダかと思うくらいのジャンプ押しですが、実際は登場人物達の想いは「漫画が好き!」。
これに尽きる。まぁそれでも、主人公達がこのご時世ジャンプしか目に入っていないというのはいささか謎だが。

行動原理が「漫画が好き」という熱い想いからなので、観てる側の意見は分かれるかと。
というのも、とてつもなく無謀な挑戦をしようと試みた人でないと、あの気持ちは分からないと思います。
「○○好きだけど、絶対成功するわけないよな。でも、好きなことだし、やってみよう」という想い。
ミュージシャンでも宝塚でも俳優でも作家でも何でも良いんです。
つまりは、博打に出たことがある人。

たぶん、何もやりたいことがなく普通に大学行って、普通に就職した人にとっては、佐藤健(サイコー)の動機が亜豆さんへの恋心からだと勘違いしてしまうと思う。
違うんですよ!
ちゃんと、そのあと神木くんが「お前、本当は漫画描こうと思ってたんだろ?」みたいなこと言ってるんで。
つまり、後押ししたのは亜豆かもしれませんが、元々サイコーの中には漫画家になりたいけど、博打に出るのが怖いという想いがあったんです。

そこからの展開は、絵に描いたような山あり谷あり。
見た人ならわかると思うんですけど。主人公達が喜ぶと次は落ち込んでる。
また喜ぶと試練が訪れる。
この繰り返しなので、飽きることがないです。

キャスト陣のアンサンブルも見事。
主役の2人は勿論のこと。
やっぱり山田孝之の力は凄い。
映画を1段階上のランクに上げれる俳優だと思います。

ここまでベタ褒めしてきましたが、多少皆様が気になるだろう点もありました。

①ジャンプで連載決まったのに、アシスタントがいない。
ここまで漫画愛に満ち溢れた映画なのに、そこを削るかー。
ラストの担当カラーの流れを映画的にするためにはアシスタントの存在は邪魔だったんだろうけども。
ここは賛否分かれるところかなー。
個人的にはそこまで気になりませんでしたけど。

②親が出てこない。
まぁ、これも上と同じですね。
描きたいところが漫画愛なので、親の存在は邪魔。
だから省いた。
ここは個人的には良かった点だと思います。

③邪道が邪道じゃない。
神木くんが「天才に勝つには邪道しかない!」と、ジャンプの王道から外れたネームを考えますが、あれは邪道ではない。
冴えない主人公の学園モノですよね。
「M0」じゃないですか!
皆様知ってますかねー。「M0」。
自分は結構好きだったんですけど。
冴えない主人公のバトルモノなんて、「東京喰種」もそうですし、ハリポタだってそんなもんでしょ。
まぁジャンプに限って言えば、パッと思いつくのは「M0」だけなんですが。
なので、あれは邪道ではないかと。

④主人公達の想いが、途中からエイジに勝つという想いにシフト変更しすぎている。
ここはちょっと気に食わなかったかなー。
エイジは主人公達に勝つことが目標。
しかし、主人公達は読者を楽しませることが一番大事だと気付き、闘いをやめる。
みたいな展開にした方が良かった気が。

まぁ、気になる点もありましたが概ね満足。

特に「漫画描きてぇーー!」と走り出すシーンは胸が熱くなりました。

オススメです!!
マルメラ

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