ShinMakita

あの日の声を探してのShinMakitaのレビュー・感想・評価

あの日の声を探して(2014年製作の映画)
1.9
☆mixi過去劇場鑑賞レビュー転載計画



1999年チェチェン。独立派によるテロに対する報復として、ロシアは軍を侵攻させる。いわゆる第二次チェチェン紛争の勃発だ。
主人公は、ロシア兵に両親を虐殺され、姉ライッサを連行されてしまった九歳の少年ハジ。彼はロシア軍が一端退却したのを見て、まだ赤ん坊の弟ヴァクハを抱いて家を出る。両親の死を目撃したショックで口がきけなくなってしまったハジは、涙をこらえてヴァクハを民家に預け、生きるため国境を目指す。やがてたどり着いたのは隣国イングーシ。だが、そこの赤十字キャンプに連れてこられるも、怖くなり逃げ出してしまう。当てもなく町をさまようハジ。服も汚れ、空腹も極まった時、彼はEU人権調査委員会職員キャロルに保護される……

※※※

ロシアのとある町。19歳の少年ニコライ(コーリャ)は、マリファナ所持の現行犯で逮捕された。警察の温情で服役を免れた彼は、代わりに軍に強制入隊させられ、チェチェン侵攻部隊の基地に送られる。厳しい訓練や、言われ無きイジメに耐え、死体処理係として日々を送るコーリャ。やがて彼に前線行きの命令が下る。コーリャがそこで体験したものとは……





「あの日の声を探して」。


ミシェル・アザナビシウス…「アーティスト」の監督が撮った映画です。オリジナルは、ジンネマン監督の「山河遙かなり」。



ハジとキャロルのドラマが主軸で、なかなか感動的な映画なんですが、少々〈泣き〉のパンチ不足かな。キャロルの仕事が虚しい結果を迎えるとこや、ハジが言葉を取り戻す過程を、もうちょっと劇的に描いても良かったんじゃないかなぁ。ドキュメンタリータッチで通すには、話がいかにも〈ドラマ〉すぎるんだから。コーリャが本筋に絡んでくるラストも、想像通りでシラケましたしね。無関心とか言葉の壁とか、戦争における普遍的問題の掘り下げも、浅かったかなぁ…

ただし、ハジ役の子の存在感はハンパないです。2015年のベスト子役映画なのは間違いなしですね。
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