最悪！って叫んじゃうような出来事から始まる日、
日本人ならすごすご家に帰って不貞腐れて終わりになりそうなところ、
この国の人たちはジリジリと後ろ髪引っかかったままジタバタ進むものでパチンと安全装置が外れてしまうらしい。潔いのかいさぎわるいのか。最悪を上回る最悪な日に。死者も出る出る。
こんな結婚式ならしてみたいな！
そもそもずいぶん沢山のご来賓いるんだね。何百人に祝われるの？私知り合い全員招待しても絶対こんなに集まらない。
楽しくダンスしたり友達と涙うかべて語ったり、絵に描いたような美しい式の途中、夫の浮気が発覚！
失意のどん底で屋上から飛び降りようとしたところを、励ましてくれたボーイさんとドレスのままファックし、浮気相手をガラスに打ち付けて血の海にし、遠巻きにドン引き狼狽えるお客の視線の中でやけくそブーケトス、義両親はおいおい泣き出す始末。いいぞもっとやれ！
誰も手がつけられない事態にどう決着をつけるのかなと見守っていると、ありえないオチに、私はすごく共感できる気がした。
あらゆるドラマの締めくくりに用いられる結婚式なんてエンドロールとセットみたいなもんで、落とし前というか、形式的なもんなのに、それに憧れたやつらがFacebookにたれ流す写真も形骸化したイベントも虚構に見えちゃうから、それを暴き倒す本作の結婚式の方がリアル(だったら嬉しいし楽しい)
ってか、これが全て余興だったなら大満足のエンタメショーだね。そうじゃないから、冗談であってほしい悲劇がジョークじゃ済まないから美しいので、もはや実話であってほしいと思った。
