ひろゆき

アメリカン・スナイパーのひろゆきのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
3.6
銀幕短評(#73)

「アメリカン・スナイパー」
2015年、アメリカ。 2時間12分。 
総合評価 72点。

クリント・イーストウッド監督作品。イラク戦争(2003〜2011年)を舞台に、アメリカ海軍特殊部隊に所属する狙撃兵の非凡な活躍と苦悩を描く。実在の人物をモデルとしている。

とても重厚な映画。戦闘のむごさや暴力の表現に いたずらに傾斜するのでなく、家族愛や友情、愛国心を丹念に描写する人間ドラマ。

ここでは、戦争は所与の条件として扱われており、映画のメッセージも好戦・反戦のどちらかに振れることなく、現代戦争にいやおうなく巻き込まれていく人々の生きざまを丹念に追いかける。

この映画のなかで わたしが一番恐かったのは、なぜか戦闘シーンではなく、前線で戦死したある兵士がアメリカに帰郷して埋葬されるときに放たれる、礼装海軍兵たちによる弔砲の一斉連射。戦地ではなく 日常生活に、戦闘が入り込んできている。あるいは、復讐のための咆哮に聞こえる。

ひとと人が諍(いさか)いを起こすのは避けられないかもしれないが、血を流すのは やり過ぎである。
ひろゆき

ひろゆき