順慶

ナショナル・シアター・ライヴ 2015「フランケンシュタイン」の順慶のレビュー・感想・評価

4.0
カンバーバッチ怪物版。

いきなり照明の演出とともに生まれ落ちる怪物。
最初はぴくぴく。真上のカメラからその様を映している。これがNTLの良いところ。
それから少しずつ動き出し、自分の身体を思うように動かしていく。ステージを大きく使って全身で表現する。本(日記)をかじり、雨にうたれ、草を食べる。
カンバーバッチ圧巻だった。

盲目の老人から言語を習い、読み書きを習得する。少しコミカルでもあった。1年間で言語を習得。ついにヴィクター博士の書いた日記も読めるようになる。
そして復讐。

ヴィクター博士と怪物との再会するシーンもよかった。孤独を解消するために彼女を作って欲しいと懇願する。で、完璧なものができあがる。この辺は映画「エクスマキナ」だな。

部屋の中のセットは、手前が低く斜めになっていて、観客が奥まで見えるようになっている。その中で平行を保って演じ続けるのもすごい。

カンバーバッチが演じる怪物は、飛び跳ねたり、身のこなし方が軽やか。逃げるのも早い。
知的なイメージのカンバーバッチ。怪物になっても知的に感じた。というか原作は知的な怪物なんだろう。原作を読んでみよう。どうもアニメ「怪物くん」のフランケンが刷り込まれている。あと、デニーロの「フランケンシュタイン」か。

人が人を作るって、改めて、すごいストーリーだな。

日曜日の9時20分から上映。普段ならまだベッドの上でごろごろしている時間だ。
順慶

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