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あなたがいてこそのTSのレビュー・感想・評価

あなたがいてこそ(2010年製作の映画)
4.2
【ハリウッドでは真似出来ないエンタメ作品】
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監督:S・S・ラージャマウリ
製作国:インド
ジャンル:恋愛・ミュージカル
収録時間:125分
興行収入:不明
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フォロワーさんのChiyoさんのオススメ作品でもあります。今作を知ったきっかけは実はツイッターです。冒頭の斬新なシークエンスをbotアカウントがツイートをしていて興味を持ちました。その後、インド映画に精通してはるChiyoさんのベストムービーにも入っていたため、鑑賞することにしました。ありがとうございます!

さて、年間世界で一番映画を製作している国をご存知でしょうか?これは僕も調べてびっくりしたのですが、実は

「ナイジェリア」

だそうです(笑)続いてインド、アメリカと来るようです。それぞれ
ノリウッド
ボリウッド
ハリウッド
と称されます。ノリウッドなんて初めて聞いた。ともあれ、言いたかったことは、インドは映画大国なんだと言うことです。

インド映画には全く詳しくないので、それこそChiyoさんのレビューを参考にしていただいたら良いのですが、インド映画の特徴としてはやはり陽気で、そしてミュージカルが必ずあるということです。ゆえにインド人は映画内においてはどこでもいつでも踊り始めます。今作も例外なく踊りまくります。インドの映画界においては、俳優に求められるのは演技力だけでなく、歌唱力、ダンス力も必要ということが感じられます。今作の主人公ラームは演技力は勿論、ダンスもキレキレでした。素晴らしかったですね。

愛用20年の自転車を乗り回し配達の仕事をする男性ラームは、ある日リストラをしてしまう。行く宛もなく、列車に乗ったのであるが、そこに駆け込み乗車をしようとした女性アパルナが現れて。。

まず、先ほど申し上げた冒頭の斬新なシークエンスから、「あ、これ面白いかも」という感情が湧きたちます。それは正解で、そこからはミュージカルも多々組み込まれるコメディラブストーリーが続きます。ただし、ラブストーリー要素はパッケージのイラストの割にはやや弱めで、シビアながらもコメディに特化した作りになっています。

それにしても一族の復讐とは恐ろしいものです。ついさっきまで厚くもてなしていた客に対して、真実がわかれば豹変する。そしてその一族の復讐として機能している要素が、掟や伝統などの不可視なものであるということがわかります。しかし、その掟も逆手に取ると障害物になりかねない。例えば敷居を跨がないと殺せない。という掟は今作の中盤からかなり有効になってきます。それを承知した主人公の、苦し紛れの逃亡シークエンスが面白い。故にコメディなのです。

終盤の逃走劇も素晴らしい。復讐にとらわれた兄貴は、アスリート並みの全速力を披露します。また、スケールは雲泥の差ですが、『マッドマックス』を彷彿させるような車から体をだして攻撃する姿勢。最初から最後までおおよそ飽きがこないエンターテインメント作品に仕上がっています。

そして、割とシビアな話なのにコメディとラブストーリーを組み込み、さらにミュージカルで煌びやかにしている点が、ハリウッドでは作れないなと感じた根拠です!

個人的には『きっと、うまくいく』には一歩及ばないものの、十分楽しめる作品であると感じます。ミュージカルは嫌いですが、ボリウッドのミュージカルは好感を持てます。まだまだボリウッド作品は未見ですが、なるべくもっと見ていきたいと感じられました。オススメです!
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