Masato

アデライン、100年目の恋のMasatoのレビュー・感想・評価

アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)
4.1
すごく綺麗な映画でした。
老いて死ぬことの幸せさ。

ハリソンフォードが出てくるまで、あまり面白くなく眠気が来てしまったが、出てきたら眠気などどこかへ消え去り、あっという間に終わってしまった。
最後はトントン拍子になりすぎて、あっさりとした感じはしたが、テーマ設定とストーリー展開には感服。
アメリカらしい綺麗で幸せな終わり方は好きです。

個人的にはモールス(僕のエリ、200歳の少女)を思い出した。
自分にはある秘密があり、それでも私を許してくれる?な感じ。

中学生頃に、「俺は永遠に生きたい。死にたくない」という謎の生きたがりと同時に「死んだらどうなるんだろう」なんて思ったことはないだろうか。
私も中学生頃に死んだら…って怖くなって不安になったことがあります。
中学生頃に死生観について考えて、大人になっていく。
永遠に生きることもそれはそれで魅力的かもしれないが、老いて死ぬことが決して嫌なんてことはない。
大切な人ができて、もし永遠に生きれるようになったとしたら…大切な人に先立たれ、恋することなんてできなくなるだろう。
大切な人と一緒に老いて、静かな土地で老後生活を送る。そして、人生楽しかったと思う。それがどれだけ人生の中で輝かしい場面なことか…そんなことを考えさせられました。

主人公の心情は分かりやすく例えて言ってみれば、人間とペットの関係です。
私の父親は子供時代猫を飼っていましたが、当然人間よりも寿命が短く、先に死んでしまった。そこで私の父は、もう悲しみたくないと、今はペットを飼いたくないそうです。
結局は自分だけ生きてて愛しの人は先立たれてしまう。これでは恋に消極的になりますよね。

老いていかなくなる症状はちゃんとした理屈があり、結構しっかりしていたのが驚き。
そして、毎シーンが綺麗で、ブレイクライヴリーが時代ごとに服がレトロな感じで(しったかぶり)好きです。それがブレイクライヴリーがすごく合う。顔が昔も今にも合っていて、キャスティングはうまいなぁと思いました。
物語を解説するように度々ナレーションが入って、ストーリーとキャラ設定が段々と深くなってくる所も良い。

ブレイクライヴリーとハリソンフォード。とっても合っていました。大人なファンタジー映画を堪能したいかたは是非。
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