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刺さった男のhideharuのレビュー・感想・評価

刺さった男(2011年製作の映画)
3.2
2022.02.23レンタルDVDで鑑賞

アックスデライグレシアの監督作品はたまに「オックスフォード連続殺人」みたいな凡作もあるけれど大体は見てよかったと思える。今回は脚本に関わってはいないようだけれど本作を含めてよくこんな話を思いつくなって感心する。

ちなみに今回の脚本はフィルマによるとランディフェルドマンというアメリカのメジャーながらヒットしなかったアクション映画の脚本を書いてる人みたい。本当に同一人物かな?

イグレシア監督作品にしては珍しくハリウッドでも活躍しているセルマハエックが出演していますね。でも彼女を使って世界的に映画が売れると確信していたのかも。それくらい自分は面白かったと思います。
でも少なくともイギリスでは公開されてないような。

失業中の宣伝マンが妻との思い出のホテルを見に行ってみるとそこは遺跡が見つかり博物館兼野外劇場へと生まれ変わろうと工事中。たまたま報道関係者が集まっていてどさくさまぎれに館内に入り込むも工事現場から落下、落ちた先には剥き出しの鉄筋がありそこに頭が突き刺さると言う見ていてとにかく痛そう。

ちょうど報道関係者が集まっていた所に事件という事で大騒ぎとなり、どこの放送局もこのニュースを取り上げて、と言うマスメディアを皮肉ったような恐ろしいブラックコメディです。
市長、博物館の責任者、医師、彼を雇わなかった元仲間、そして本人のそれぞれの思惑が交錯して笑えるけど恐ろしく、時に馬鹿馬鹿しい。
そんな中で主人公の妻だけが常識人で異常な状況をどうにかしようとする。

刺さった場所から動けないから90分程度の上映時間でちょうど良いとは思うけど登場人物が多いから中途半端になってしまったところもあるのが残念。
クライマックス、ヤカンから湯を注ぐように溢れる血液には笑ってしまうが仮に現実だったらと考えるととても怖いかった。

傑作とまでは行かないけど凄く良かったです。あと何故かイグレシア監督の映画って日本語吹替版がある事が多いので助かります。
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