がんちゃん

オートマタのがんちゃんのレビュー・感想・評価

オートマタ(2014年製作の映画)
2.5
ペッパー君の法人向けモデルはソフトバンクロボティクス社による3年契約のサービスだが、「契約更新する」と答えた法人はわずか15%だったという。

地元の大学病院でも2年前はエントランスで元気に話しかけてくれていた白いあいつだが、今では充電すらされず受付の隅でうなだれている。
彼らもそのうち、生き場所を求めて彷徨い始めるのだろうか…。

そんなことをふと思った本作。

AIディストピアSFモノは出尽くしているので、設定を踏襲しつついかに独自色を出せるかに尽きる。
○○のパクリというのは野暮ですよ。
オマージュと言ってあげよう(笑)

本作は『アイ・ロボット』をベースに、『ブレードランナー』で描かれなかった「居住区の外の世界」を描くことで名作の世界観を補完するのが狙いかも。
真っ白い砂漠と無機質なロボット、というシュールな絵面は良かった。

実際、本作の後に作られた『ブレードランナー2049』も「居住区の外はスラムでその先は汚染砂漠地帯」という全く同じことをやっていたりする。

感想としてはそのくらいかな…。

観客全員がオチを分かっているにも関わらず、主人公だけが「ロボットを改造した技師がどこかにいるはずだ!」とかいって執拗に犯人を探し回る姿が滑稽でしかないという…もはや吉本新喜劇並みの既視感でお送りします。

終盤の見せ場である〇〇製作シーンに関しても、デアゴスティーニのでっかい付録を作っているようにしか見えず苦笑。
もう少しマシな表現はなかったのか…。
「AIが人類の理解を超えた」からといってクリエイターの想像力までストップさせちゃ本当におしまいだろう(笑)
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