みなりんすきー

シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのみなりんすきーのレビュー・感想・評価

4.0
『パパは立派な人間じゃない いい夫でもいい父親でもない だが料理は上手い お前にそれを伝えたいんだ』

『ケトルコーンの正体を?砂糖と炭水化物だ この新鮮な果物を見ろ ケトルコーンなんて食えるか?』

『ただ食って悪口を吐き散らす こっちは必死でやってんだ スタッフ全員だ』

『正直に言う 後でガッカリさせたくない 夏が終われば旅も終わる』


■ あらすじ ■
ロスの一流レストランで料理長を務めるカール(ジョン・ファヴロー)は、大物料理評論家の来店に新メニューを提供しようとするが、堅物のオーナー、リーバ(ダスティン・ホフマン)にいつも通りのメニューで出せと命令され仕方なく従うが、その結果時代遅れでつまらない料理だと酷評記事を書かれ、それがSNSで広がってしまった。カールは息子のパーシーからTwitterを教わると、その評論家にDMのつもりで口汚く反論するメッセージ(リプライ)を送るが、それが評論家の12万人のフォロワーに拡散され大炎上。再度来店した評論家にカールが怒りを爆発させた場面の動画も拡散され、店をクビになってしまう。失意のカールに元妻のイネズがマイアミにいる元夫のマーヴィン(ロバート・ダウニー・Jr)の援助を受け、フードトラックを始めるよう促す。


■ 感想 ■
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
(『Chef』)

ジョン・ファヴローが監督・脚本・製作・主演×ロバート・ダウニー・Jr×スカーレット・ヨハンソン??何それどこのMCU???『アイアンマン』のスピンオフか何かですか????
と思うくらいの豪華キャスト陣で組まれた今作、気にならないわけがない、観ないわけがない。

あまりにもMCUキャストが揃っているのでちょっと調べてみたところ、どうやら今作はジョン・ファヴロー氏が製作時期が被るという理由で『アイアンマン3』の監督を降りてまでみっちりと作り上げた思い入れの強い作品だそうです。(降板理由は噂が色々ありますがこれが真実だと思いたいですね)
それを知って観ると更に面白いというか、フフっとなるポイントが結構あって。元妻イネズの元夫役でロバート・ダウニー・Jrが出てくるんですけど、そのキャラクターがもう完全にトニー・スタークまんま。笑 嫌味の多い金持ちで綺麗好き、あの独特の話し方。あれ、トニー出てきたかな?マイアミに引っ越した?と思ったよね。で、更にスカヨハですよ。気の利く優しい美人なお姉さんで、物静かでどこかミステリアス。言葉のひとつひとつが相手を思いやっていて丁寧。こちらもまた、あれ、ブラックウィドウ出てきたかな?転職した?と思ったよね。もう完全にジョン・ファヴロー氏、ちょっと遊んでるでしょ(笑)だってこんな大物2人が、マジでチョイ役ですからね。本編に全然絡んでこないから。ビックリするよ(笑)友情出演に近いと思います。そこもMCU好きとしてはほっこり。

そんなこんなで、キャストも豪華メンバーに支えられて安心のスタート。それでも、全然予告とかも何も見ずに観始めたので、まぁ楽しいコメディ料理映画だろうな〜くらいの気持ちだったんですが。
もうね、想像以上にめちゃめちゃ良い映画でした。何度もハハッと笑わせられるしコメディなのは間違いないんだろうけど、随所に監督のこだわりがしっかりと見られた。まず”料理の本気度”ね。エンドロールでも少しお見せしてくれるけど、いかにリアルにそして美味しそうに見せるか、いかに観客に「おぉ!」と思わせるか。そのこだわりがよく伝わってきた。実際に出てくる料理は全部美味しそうだし、高級料理からジャンクフードまで見られてもうずっと舌なめずり状態。ご飯食べ終えておいてよかった。空腹時に見たら死にますね間違いなく。笑 あのフードトラックが近くに来たら、私も間違いなく並んででも買うと思うな〜。
そして勿論料理だけではなく、最も大切と言ってもいいであろう要素が、”父と息子の関係性”。まだ10歳のひとり息子は、両親の離婚で大切な時期に父親と遊べず、寂しがってる。でも父は多忙でそんなに構ってもやれないし、でも元妻にも遊んでやれと促され遊園地や映画に連れていくけど、なんだか息子はあまり楽しくなさそう。代わりにやけに仕事に着いて来たがるし、厨房に入りたがる。危険だから勿論ダメ。どんどん離れていく距離…あーもうパパ、息子の気持ち分かったげてー!!😫😫💦ってなったよね(笑)そうじゃないんだよ!遊園地行ければいいとかじゃないの!いつもパパがどんな仕事してるのか、何が好きなのか、どんなお話をしてくれるのか、そういうのが知りたいんだよね😭そういう時間を過ごしたいんだよね😭もうね、それが滲み出てる息子の表情を見ているだけでジーンときてしまった。何せ可愛いのよ、息子パーシーくんが。(調べてみたら結構有名な作品にも出てる、今度観てみようかな。)そんな2人の関係の描写も物凄く丁寧に描かれていて、それが何よりも良かったかな。ただシェフが挫折から這い上がっていく料理映画、というんじゃなくて、シェフでもあるがパパでもある、そんな描き方がとても良かった。

元妻イネズがハチャメチャに美人でビックリした。バービー人形みたい。元夫がマーヴィン(ロバート・ダウニー・Jr)なのは物凄くお似合いカップルなんだけど、何があってカール(かなりおデブ、お世辞にもイケメンとは…言えない…笑)と結婚に至ったんだろうと少し気になってしまった。いや、人は見た目じゃないけどね。元夫がロバート・ダウニー・Jrの顔面だとさすがにね?笑

すごく癒される映画でした。下ネタがあるからPG12だけど。笑