ふき

22ジャンプストリートのふきのレビュー・感想・評価

22ジャンプストリート(2014年製作の映画)
4.0
ジョニー・デップ氏の出世作となった同名ドラマをリメイクした、アクションコメディ作品の続編。

前作で面白かった部分は完璧に踏襲されている。見た目も頭も子供に見える(?)警察官が、今度は大学生になる「なりすましコメディ」に、ブラックでドラッギーなギャグがつるべ打ちされる。その上本作は「続編である」という部分もギャグになっているので、「前と同じことをやれ」と言われたり、お話の骨格が途中までほとんど同じだったりと、ギャグのバリエーションが増えている。ラストのアレもクッソ笑った。
また前作では底流に流れている程度だったブロマンス要素が、本作ではゲイネタレベルで全面展開される。チャニング・テイタム氏演じるジェンコと、ワイアット・ラッセル氏演じるアメフト部のズークのやり取りは完全にゲイのやり取りで、それと呼応するようにジェンコとジョナ・ヒル氏演じるシュミットとの関係も「倦怠期を迎えたカップル」として描かれるので、真面目な恋愛映画としても面白い(し、だからこそ笑える)。この辺りはクリストファー・ミラー氏とフィル・ロード氏の監督コンビの関係も考えると、より興味深くなるだろう。

ただ正直なところ、最初の二~三〇分は「あれ、これ大丈夫か?」と心配だった。場面場面は笑えるのだが、ギャグが映画全体を駆動するまでにはなっていかない。中盤のドラッグ描写も、前作のような「今バレたらやべえw」感もなし、ドラッグ映像内で語られる内容も恋愛映画として真面目なものなので、「絵的に面白い」で留まってしまう。カメオ出演は本作も多いが、前作のように「映画に詳しくない」「文脈を知らない」ような人でもぶっとべる大物は出てこない。

といった感じで、前作のように「全編、腹を抱えて笑っていられる」とまではいかなかったが、絶対に面白い作品であることは違いない。まずは一作目の『21ジャンプストリート』を見て、それから本作を見て頂きたい。
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