別れた人を見送る時の、寂しげだけど暖かい表情が人の1番美しい顔だと思う。そしてそういうシーンが印象に残る映画は僕にとって名作が多い。この映画もその1つだ。
落ちぶれた音楽プロデューサーと恋愛で傷を負った女性アーティストの再生の物語。この2人が、友達から見知らぬ子供たちまで色んな人を巻き込んで、デモアルバムを作る姿はまさに青春そのものだと思う。仲間がいる、何か1つに向けて楽しみながら突き進んでいる、は青春に不可欠な要素だろう。
現実的な物語ではないけども、それでもそれを考えさせずに希望は持たせてくれる映画だった。
最後はタイトル通り、みんな“はじまり”に戻る。それはきっと幸せなだけじゃないかもしれないけど、一歩前に進んだのは間違いないだろう。
アダム・レヴィーンが歌う「さまよう星たち」の歌詞の “青春が過ぎ去っていくんだ” という箇所は思わず泣きそうになってしまった。彼にとっての「はじまりのうた」が最後のその曲であることを願うばかりだ。