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幻肢のdarumaのレビュー・感想・評価

幻肢(2014年製作の映画)
3.9
藤井道人監督×島田荘司原作に惹かれて、アマプラ滑り込み。
観る前にフィルマの評価を見たら物凄く低かったのですが(2.9ってどんだけ…!?)、個人的には全然悪くなかったです。雰囲気は東野圭吾作品に似てる感じかもしれません。「幻肢(げんし。既に無い身体の一部が在るように感じて痛覚などを感じてしまう事)」というタイトル通り、医学・SF系のミステリーです。

私は子どもの頃、島田荘司さんの「占星術殺人事件」がきっかけで日本のミステリーにハマったので(元々シャーロックホームズが好きで、スタイルが似ていたから)、それが好印象に関係しているかもしれません。非常に「らしい」というか…。でも全然猟奇的ではないです。ラブストーリー。藤井道人監督作品も追っていますが「余命10年」が近い感じかな?

主演の方は存じ上げなかったのですが(吉木遼さん。これが長編初主演みたいですが、その後あまり活躍はされていないのかな…役者さんはされているみたいですが)、ヒロインが谷村美月さん。谷村さんって確か藤井作品出られてましたよね…?と思ったけど、違ったか。私が観た作品だと「海炭市叙景」の印象が強くて、何となく被っている感じも受けました。
あと、主人公の友人役で遠藤雄弥さんが出られています。

撮影は藤井監督の右腕、今村圭佑さん。雰囲気ありました。制作協力にBABEL LABELが居ます。

ストーリーは、個人的には結構引き込まれて、一気に観られました。90分程度なのでわりとサクッと観られる部類だと思います。ミステリーなので「こういうオチかな…?」とある程度予測しながら観るのですが、全然違った!(合ってた部分もあるけど。)なるほど…さすが島田荘司原作。本作は島田さん初の映画化らしく、原作の発表時期を見たら映画公開時と同じ年だったので、映画の為の書き下ろしだったようです。なんと!クラウドファンディングで主演とヒロインのネーミングライツ(名前を決める権利)があったみたいですが、100万…さすがにつかなかったようです。でもクラファン自体は目標を達成してました。原作者人気かな?

島田荘司さんと言えば冒頭に書いた御手洗潔シリーズの「占星術殺人事件」が有名だと思うのですが、谷村さんはこの後、映画化された「星籠の海 探偵ミタライの事件簿」に出られてますね。玉木宏さんが御手洗潔を演じられているのは知っていたのですが、観れておらずで…。私が御手洗シリーズを読んでいたのは物凄く昔で(2023年の今もまだ続いているんですね!今年出版されている本がありました)、映画化された作品がどんな話なのか分かりませんが、また観てみたいです。

最後、キーとなる台詞に未来日が出てくるのですが、既に過ぎていた…まだ実現していないと思います。(というか、SFですね)
色々とちょっと懐かしい作品でした。
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