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マイ・インターンのRenのレビュー・感想・評価

マイ・インターン(2015年製作の映画)
4.0
先日久しぶりに再見した。観やすくて面白くて、すごく好きな映画。古今東西数多の名作がある中で、今作がとんでもないMark数を誇っているのも分かるな〜。

リタイア後のセカンドライフ、キャリアウーマンと専業主夫、労働・職場環境、特に2010年代から深く考えられるようになった社会問題についてあらゆる角度からスポットを当てていく。それでも全くシリアスにはならない。あくまで全体の語り口は軽やかに爽やかに。

デニーロ演じるベンの思想・視点があまりに現代的で理想的すぎる。こんなおじいちゃんがいい!の具現化みたいなキャラクターで、彼のおかげで物語が円滑にテンポ良く進んでいく。あまりに理想的な彼の存在があることで、ある意味本作は寓話の様相を呈しているとも言えるかもしれない。

『プラダを着た悪魔』と併せて紹介されることも多いので、お仕事映画と思われがちだけど、後半に行くにつれ人間関係に比重が寄って行くのもおもしろポイントかな。
いくつになっても好奇心とチャレンジ精神を持っていたいし、何人も自分の夢を妨げることはできない、と強く思える映画。これはまさに「亀の甲より年の功」を2010年代に再現してみせた極上のヒューマンコメディ。

ただ途中のオーシャンズ11オマージュのシークエンスだけはちょっと「?」となってしまう。あそこだけリアリティラインがどうも歪で浮いている感じがする。

映画のキャストをメタ的に見るのは好きではないけど、今作に限っては「ファッション界の鬼の下で働いていた新入社員が企業して立派なキャリアウーマンになって...」「モヒカン運転手、満身創痍ボクサー、マフィアを経てイケおじインターン生になっちゃって...」と思わずにはいられない。
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